2019 Fiscal Year Research-status Report
Examination of the utility of biofeedback therapy for voice disorders
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19K11328
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
柳田 早織 北海道医療大学, リハビリテーション科学部, 講師 (20548581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 兼司 北海道大学, 大学病院, 助教 (00580953)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 過緊張性発声障害 / 痙攣性発声障害 / バイオフィードバック療法 / 表面筋電図 |
Outline of Annual Research Achievements |
過緊張性発声障害や痙攣性発声障害は、声帯に形態の異常や運動麻痺がないにも関わらず声のつまりや途切れ、ふるえが出現し、患者のQOLは著しく低下する。近年、部分的に痙攣性発声障害の臨床症状にあてはまる場合や痙攣性発声障害の特徴に当てはまる発声困難の訴えがあるものの診療場面で全く症状がみられない場合など鑑別に苦慮する症例が増加している。本研究では、喉頭表面筋電図を用いてこれらの発声障害患者における運動調節の異常を明らかにするとともにバイオフィードバック訓練による治療効果の判定を行う。 治療効果の判定に先立ち、2019年度の研究目的は表面筋電図測定システムの確立であった。 健常成人女性を対象として、安静時および発声時の筋電図計測を実施した。 その結果、被験筋(胸鎖乳突筋、舌骨上筋群、胸骨舌骨筋)からの筋電波形導出が確認できたが、当初の想定よりも筋電図の装着に時間を要すること、アースの貼付け位置は下顎部よりも乳様突起のほうが安定していること、筋電図と録音音声を同期させるためのより詳細なプロトコル作成が必要であることなど様々な問題点が判明した。 予備実験で明らかになった様々な問題点に対する修正が2019年度の主たる作業となった。予備実験では、筋電図計測機器内での音声波形の同期ができなかったが、筋電図と音声波形を同一機器内で同期させる見通しが立ったため、改良した機器を用いてさらなる予備実験を今後追加していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では夏頃までに予備実験開始としていたが、実際には筋電図計測機器の納品が10月にずれこみ、予備実験の開始も大幅に遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度の問題点を踏まえ、早急に健常者での追加予備実験を再開したいと考えているが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、現在すべての実験を中止している。 録音や筋電図計測は、ノイズの少ない密閉空間や身体接触を伴う実験であるため、当面実験は中止せざるを得ないことが課題として挙げられる。
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Causes of Carryover |
筋電図計測機器と録音音声を同一機器内で同期させるために必要なケーブルの準備が間に合わなかった。2020年度に改良したケーブルでの追加予備実験を予定しておりその費用に充当したい。
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