2022 Fiscal Year Research-status Report
初期変形性膝関節症モデル動物の開発とメカニカルストレス応答メカニズムの解明
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19K11335
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
浅田 啓嗣 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 教授 (10440851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 聖 金城大学, 医療健康学部, 准教授 (30454242)
高木 都 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (00033358)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 変形性膝関節症 / モデル動物 / 関節軟骨 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来の関節症モデル動物の問題点として、手術や免疫系に影響を与える介入により作製されている特異的な条件下のモデルであること、関節症状が軽度で予防効果が期待できる発症初期の変形性膝関節症(KOA)に対応するモデルが確立されていないことが挙げられる。 初期OA症状を再現するモデル動物を作成することを目的に膝関節内側半月脛骨靱帯のみを切除する侵襲の少ないDestabilization of the medial meniscus surgical instability model(以下、DMMモデル)の作製を行い、初期OA症状を再現する実験条件の検証を進めてきた。これまでにマウスDMMモデルを用いて,ケージ面積の違いが経時的な自発運動の変化と軟骨損傷に及ぼす影響を検討し、術後に大ケージで飼育すると個体差が少ない重度のKOAモデルが作成できることを発見した。生理的な関節ストレスで短期間に再現性の高いKOAモデルを作成することが可能であり、老齢マウスにおいても同様のモデル作製が可能か検証を行った。 若齢マウスおよび高齢マウスを用いDMMモデルを作製し同期間検証した結果、両群に軟骨下への亀裂や広範囲に及ぶ象牙化、辺縁部の骨棘様組織の形成が認められ、両者の組織損傷の程度に明らかな違いは認められなかった。自発運動量は両群とも術後初期は術前よりも有意に自発運動量が減少したが、のちに術前と同等の自発運動量まで改善した。全期間を通して 若齢マウスよりも高齢マウスの方が低値で推移するが、群間の有意差は認められなかった。さらに解析をすすめて論文作成へと進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍により、共同研究施設への移動が制限されることや、コロナ対応による業務調整がつかず研究活動に支障があったが、さらに追加実験を行ない解析を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
老齢マウスを用いたモデル作製の結果をまとめ論文投稿を進める予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により研究活動が制限され計画が遅延したため、研究期間をさらに1年間延長した。
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