2021 Fiscal Year Research-status Report
Effects of prism adaptation on sound source localization (attention of multidirectional) in horizontal space
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19K11337
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Research Institution | Kumamoto Health Science University |
Principal Investigator |
松尾 崇史 熊本保健科学大学, 保健科学部, 講師 (50757747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 登志夫 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (40244090)
田平 隆行 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50337432)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 音源定位 / プリズム順応 / 聴覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,作成した音源定位課題を用いiPadを音源方向にフリックし定位角度を計測する固有感覚を用いた定位と音の方向を言語にて「右に◯°」と定位させる言語定位の差が生じるか否かについて検証した. 対象は健常成人32名で.作成した音源定位課題において上記した2つの定位方法による定位角度の統計学的差は認められなかった.次に健常者に対するプリズム順応が音源定位に与える影響について言語定位でのみ比較検証した.参加者をプリズム群とControl群の2群にランダムに割り付けた.単一セッションの即時効果について,pre(プリズム前),post(プリズム後),after(2時間後)の計3回評価を行った. 結果,Manual straight aheadは「群間」に主効果は認めず「群内」において主効果を認めた(F[2, 94]=8.64, p<0.001).その後の下位検定の結果,Control群では有意な差は認めなかったが,プリズム群においてpre より post で有意に左ずれを示し順応していたことを示した(p<0.0001).さらにpostよりafterで有意に右ずれを示し,プリズム群が2時間後まで順応効果は持続していなかった.音源定位の結果について,音源位置でのみ主効果を認め(F[7, 768]=7.09,p<0.001)音源位置間の差は生じるが「群間」や「群内」においては主効果を認めなかった.つまり,健常者に対するプリズム順応は,Manual straight aheadの結果から固有覚を左にシフトさせるが,言語で定位した音源定位に対しては影響していないことから単一セッションのプリズム順応の効果は固有覚の変化を与えるに留まることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID19の感染拡大の影響で,健常成人のリクルートも難しい状況であった.さらに,左半側空間無視患者を対象とした臨床研究を実施する予定であったが,これもCOVID19感染拡大に伴い,施設への出入り等の制限もあり実施が困難となったため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後もCOVID19の感染拡大の影響により,臨床研究への着手が難しい可能性が高い.従って,比較対照試験では無く前後比較で数例の対象者をリクルートしプリズム順応の効果検証まで実施できればと考えている.さらに,臨床研究が困難となったため,健常成人を対象としたプリズム順応の音源定位に対する効果について,さらに詳細な分析を行っていく予定である.
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Causes of Carryover |
COVID19感染拡大の影響で研究遂行が大幅に遅れ,成果発表や研究協力機関との打ち合わせ,訪問等ができなかった.また蔓延防止機関など十分な被験者数の確保等も困難で被験者の確保ができなかった. 次年度もCOVID19の影響が完全に解消される可能性は低いと考え,可能な範囲でのデータ収集に伴う被験者謝金及び成果発表として実施可能であった範囲内での論文や学会発表等に係る費用として使用したい.
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