2019 Fiscal Year Research-status Report
循環器疾患患者のための人工知能を活用した在宅運動療法システムの確立
Project/Area Number |
19K11344
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中山 奈津紀 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 講師 (30454375)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 登志雄 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (80303634)
川島 信 中部大学, 工学部, 教授 (80340199) [Withdrawn]
平井 真理 椙山女学園大学, 看護学部, 教授 (90242875)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 心拍変動 / 循環器疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、循環器疾患を悪化させ「心不全」という最悪の事態に至らないよう、予後予測因子である心拍変動(heart rate variability:HRV)の指標をベースに人工知能(AI)を活用して、在宅での活動量を主体とした新しい運動療法システムを確立することであった。HRV指標として副交感神経を反映しているとされる高周波成分(high Frequency:HF)の指標を用い、活動の増加がHFを増加させることを活用する。「運動」としては、1)毎日・自宅でできるグリップ(写真)を用いた「握力運動」、2)「日常生活活動」、3)月1回の定期受診日に行う「トレッドミル」とする。在宅における日常生活活動量とトレッドミルによる運動負荷量、加えてそれぞれのHFを人工知能(AI)に入力し、HFの維持・改善のための目標活動量を明らかにする。研究の概要は、①日常生活上の活動量を加味した活動の効果をHFで把握する。②さらにAIを活用してHFを改善するための目標活動量を示すこととする。 この運動療法によって循環器疾患を改善するには、運動時の心拍変動(HRV)から算出される指標(症状の改善度合いを示す)「HF」を、運動によって増加させる必要がある。HFを増加させるために必要となる活動量をAIで算出し、患者に提示・ガイドするシステムを確立することである。 昨年度の研究実績は、これまでの2か所の研究フィールドで被験者の再募集を行い、9名の被験者登録を行った。また、より多くの被験者を獲得するため、総合医療センターに研究フィールドを拡大し、6名の被験者登録を行った。しかしその後、COVID-19の影響により研究活動を休止している。一方で、さらなるHRVに関する解析を可能にするため、ポリソムノグラフィーを用いる研究を立ち上げ、現在25症例の解析を終えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は新たに500床の入院設備を有する総合医療センターを研究実施として確保して研究を開始した。医療センターには多くの被験者候補の受診患者が存在し、今後被験者の登録が期待できる。さらに医療センター内に複数の研究協力者を得ることができたことは強みとなる。一方で、心拍変動に関する詳細な検討を可能にするため、ポリソムノグラフィーと心拍変動に関する新たな2つの研究を立ち上げ、睡眠ステージと心拍変動の解析により、新たな指標を獲得できる可能性がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の鎮静化を待ち、病院内の院内感染リスクが減少したことを確認して、研究活動を再開する予定である。また一方で、既存データからのポリソムノグラフィーと心拍変動の解析は500症例を目指して解析を行う。
|
Causes of Carryover |
COVID-19の感染拡大防止の観点から、研究活動を一時完全休止した。その影響により、データ収集活動が減少した。加えて、演題登録した学会の中止や延期により旅費の支出が減少した。
|