2019 Fiscal Year Research-status Report
ニューロリハビリテーションを目的とした上肢運動支援システムの開発
Project/Area Number |
19K11349
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
比嘉 広樹 琉球大学, 工学部, 教授 (60295300)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 食事支援 / 筋電信号 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経筋疾患患者らの生活の質(Quality of Life: 以下、QOLと省略する)の向上を図ることを目的として、本研究では、生体信号(筋電信号と脳波)を活用してニューロリハビリテーションを行うための上肢運動支援システムの検討を行っている。2019年(初年)度には、以下の成果が得られた。 1. 筋電信号の増幅や前処理を行うための2チャンネル筋電コントローラを作成し、前腕部から導出した筋電信号をコンピュータに入力して、取得した筋電信号に対する疲労軽減の検討を行った。具体的には、サポートベクターマシン(SVM)、Label Spreading、LSTM(長・短期記憶)を用いた判別器を作成し、トレーニングデータにより各判別器を学習後、テストデータを入力した際の判別結果を比較した。実験の結果、3つの判別器の中でLSTM判別器を使用した場合に最も高い判別率(98.9%)が得られた。 2. 仮想空間(ゲームエンジンにはUnityを使用)の環境内に、手作業の器用さを評価する指標の一つであるボックス&ブロックテストを作成し、virtual hand を導入して上述の2チャンネル筋電コントローラにより操作が行えるように設定した。健常被験者1名の筋電信号を用いてvirtual hand を操作した評価結果より、複数のブロックを適切に移動可能であることが明らかになった。 3. Unityを用いて、食事や水分摂取のためのリハビリテーション用仮想空間を作成した。ヒト上肢の代替として7自由度のロボットアームを設置し、コントローラを用いて健常被験者1名による操作実験を行った。実験結果より、仮想空間内のロボットアームを操作して卓上に置かれたコップやスプーンを把持し、仮想ユーザの口元までそれらを適切に移動できることが確かめられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健常被験者1名の前腕部より取得した2チャンネルの筋電信号が3種類の判別器のそれぞれにおいて適切に学習できたことにより、virtual hand の操作が可能になった。またヒト上肢の代替として、7自由度のロボットアームも仮想空間内に構築できている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、被験者を増やした場合の筋電コントローラの操作性の評価を行う。また仮想空間内の麻痺上肢を模したロボットアームを用いて、リハビリテーションを行うための検討を進める。
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Research Products
(6 results)