2020 Fiscal Year Research-status Report
重度片麻痺患者に対するロボットを活用した歩行訓練における立脚期のアシスト量の研究
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19K11352
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
伊藤 慎英 藤田医科大学, 保健衛生学部, 講師 (30646980)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 歩行 / ロボット / アシスト量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、脳血管疾患による重度な片麻痺者を対象とするロボットを活用した歩行訓練の効果を高めるために、麻痺した下肢にロボット脚の膝伸展アシストをどのように設定するとよいかを明らかにすることである。 2020年度は、2つのことに取り組んだ。ひとつ目は、ロボット装着時における大腿部筋電計測の開発とした。健常者を対象に、大腿部の電極部に工夫を行い、長時間の計測でも皮膚に問題が発生しないようになったが、筋電信号のアーチファクトに課題が残った。引き続き、精度高く、正確な筋電信号を計測できるように取り組んでいく。 二つ目は、脳卒中片麻痺者を対象に、三次元動作分析装置を用い、膝伸展アシスト量の違いがトレッドミル歩行に与える影響を検討した。歩行計測は、膝伸展アシスト量の最適値を訓練時に使用しているレベルとし、そのレベルのプラスマイナス1レベルの3通りで行った。三次元動作分析装置における歩行分析の主とする指標は、立脚期における8つの異常歩行パターン:過度な体幹の後方移動、過度な体幹の前傾、過度な体幹の患側移動、骨盤後退、過度な下腿の前傾、過度な膝関節の屈曲、急激な膝関節の伸展、常時膝関節屈曲位とした。膝伸展アシスト量のレベルの増加とともに、過度な膝関節の屈曲、急激な膝関節の伸展が改善した。一方で、遊脚期の異常歩行パターンである内側ホイップが改悪した。膝伸展アシスト量の変化によって、歩容は、立脚期だけでなく、遊脚期にも影響することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は、ロボット装着時における大腿部の筋電計測を行えるようにする計画であったが、筋電信号のアーチファクトの課題に難渋し時間を要した。そのため、脳卒中片麻痺者を対象とした三次元動作解析装置を用いた分析を行うことができたが、筋電を含めた検討には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
ロボット装着時における大腿部の筋電計測の課題解決を優先的に取り組み、膝伸展アシスト量の違いがトレッドミル歩行に与える影響を分析する。
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Causes of Carryover |
2020年度中に、統計分析まで行う予定であったが、データ蓄積を見通せなかったために統計ソフトウェアの購入を見合わせた。筋電計測に課題が残っているため、その課題克服に費用をあてる。
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