2022 Fiscal Year Research-status Report
2型糖尿病モデルラットに対する短時間高強度運動が身体機能及び精神機能に与える影響
Project/Area Number |
19K11360
|
Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
高橋 尚 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (30612981)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 糖尿病 / 短時間高強度インターバルトレーニング / 血糖値 / 自発的活動量 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的は、短時間高強度運動が、2型糖尿病ラットの身体機能や血糖値にも影響する日常生活活動量へどのように影響するかを明らかにすることである。近年、短時間かつ高強度なインターバルトレーニング(HIIT)は、効率的に体力を向上できることが報告されている。そこで、2021~2022年度は2型糖尿病モデルラットに対して有酸素運動やHIITを行った時に、運動時間以外の自発的な活動量に及ぼす影響について検討した。実験には14週齢のSDラット、2型糖尿病ラットとして14週齢のSDT/Jclラットを用いた。運動は3回/週を7週間とした。運動期間中にケージ付き回転車を使用して自発活動量を計測し、血糖値を毎週計測した。運動期間終了後に身体能力評価としてトレッドミルを用いた耐久性試験を行った。その結果、コントロール群と比較して糖尿病ラット非運動群(以下非運動群)、糖尿病ラット有酸素運動群(以下有酸素運動群)、糖尿病ラットHIIT群(以下HIIT群)は実験期間を通して有意に自発的な活動量が低下していた。有酸素運動群とHIIT群間に有意な差はなかった。また、血糖値については、実験開始2週目以降からコントロール群と比較して糖尿病ラットである他3群は有意に高値を示し、3週目以降から非運動群は有酸素運動群とHIIT群と比較して有意に高値を示した。有酸素運動群とHIIT群間は実験期間を通して有意な差はなかった。運動期間終了後に糖尿病ラットに対する運動負荷が身体能力に及ぼす影響を検討するためにトレッドミル走行を用いた耐久性試験を行ったところ、コントロール群、非運動群と比較して有酸素運動群とHIIT群は有意に耐久性が高かった。有酸素運動群とHIIT群間に有意な差はなかった。したがって、HIITは短時間で効率的に身体能力を向上させ、血糖値の上昇を有酸素運動と同程度に抑制できる可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は実験1~3で構成されている。2022年度の時点で実験2まで終えており、実験3は遂行中である。当初の予定では2022年度内で全ての実験を終える予定であったため、進捗状況としては遅れているといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
余裕をもって実験が行えるよう2023年中に実験を終了させるスケジュールとしている。方法等に変更はないため期間内に終えることが可能と考える。
|
Causes of Carryover |
実験の遅れによって購入予定であった消耗品の購入に至っていないこと、学会発表や論文投稿に遅れが生じている理由で次年度使用額が生じた。今年度は消耗品の購入、学会発表および論文投稿を予定しており、助成金を使用することが可能と考える。
|