2023 Fiscal Year Research-status Report
消化管知覚過敏を軽減させるニューラルフィードバック練習装置の開発
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19K11368
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
濱口 豊太 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (80296186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田山 淳 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (10468324)
西郷 達雄 北海道医療大学, 心理科学部, 講師 (50622255)
鈴木 誠 東京家政大学, 健康科学部, 教授 (80554302)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 過敏性腸症候群 / 脳波周波数解析 / 機械学習 / Default Mode Network / 内臓感覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
当研究は, 過敏性腸症候群 (Irritable Bowel Syndrome: IBS) に存在するとされる安静時の脳領域間機能結合 (Default Mode Network: DMN) の異常を, 脳波により電磁的に解析し, IBS有症状者と無症状者の特徴的なDMNを内臓知覚の認識過程 (self-referential processes: SRP) として明らかにする. また, DMNを患者自身の力で調整できるようにする練習方法にDecoded Neural Feedback: DecNefがあり, 本研究はIBS症状を軽減させるDecNef練習装置の開発を行うことを目的としている. 2023年度は, これまでに取得したIBS有症状者40例と無症状者20例を対象(全員女性, 20-31歳)の安静脳波を解析し, α・β帯域のパワースペクトラとそのDMNをIBS有症状者と無症状者とで全脳, 前頭部, 頭頂部, 後頭部のセグメントを作成して比較した. 解析はα・β帯域の値をSmirnov-grubbs testにより10例を除外し, IBS有症状者35例と無症状者15例を用いた. その結果, α波においてIBS有症状者のDMNは無症状者よりも前頭部のセグメントで脳機能的結合が低く, β波において高い傾向があった. これらのα・β帯域データをbootstrap法により1000倍に増幅し, 80%を教師データとしてRandom Forest, Support Vector Machine: SVM, k-means clusteringを用いて機械学習させ, 20%をテストデータとしてclassifierの正診率を計算した. classifierは88-94%の正診率が得られた. 2024年度はこの識別子をDecNef練習装置に実装して開発を進める.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年から2022年までのコロナウイルス感染拡大防止対策のため、脳波計測実験が滞ったが、その後、実験を再開した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は安静時脳波を取得して解析し、IBSの有無または程度が評価でき, これを基準にDecNef練習法を開発し, IBS有症状者のセルフケアに役立てることが目的である. 脳波を取得して解析するために携帯型EEG-DecNefシステムには計算ソフトMATLABを導入する. EEG-DecNefでは無症状者の脳波パターンとの類似度を音や図形 (飛行機・鳥・舟など) に変えて被験者に教示する方法 (Strehl U. 2006) を用いる. Strehlらの練習プログラムを用いて, 被験者が自分の脳波を使って標的を上に動かしたり [Negative], 下に動かしたり [Positive] するアプリケーションを作成する.
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Causes of Carryover |
必要な実験機材等は購入し、実施されたが、一部、脳波パターンの機械学習による識別子を検証する作業が残っており、これを行うために研究期間を延長したことによる。
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Research Products
(5 results)