2021 Fiscal Year Research-status Report
経頭蓋直流電気刺激が脳卒中後の神経可塑性に関連する生化学的因子に与える効果
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19K11382
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
伊藤 英明 産業医科大学, 医学部, 講師 (30609201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松嶋 康之 産業医科大学, 医学部, 准教授 (10412660)
佐伯 覚 産業医科大学, 医学部, 教授 (20269070)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脳卒中後片麻痺 / 脳由来神経栄養因子 / 遺伝子多型 / 成熟型 / 亜急性期 / 慢性期 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳卒中後の亜急性期と慢性期について研究実施中である。倫理計画書に沿って研究参加に同意を得られた亜急性期19名、慢性期8名が実施中である。 亜急性期については脳卒中後の片麻痺改善に関与する脳由来神経栄養因子(BDNF)を中心とした生化学的因子や脳由来神経栄養因子の遺伝子的多型の有無を検討することにある。現在21名が研究に参加され、19名について片麻痺の改善度合いと血中BDNFを計測した。発症約4週間後とその3週間後では脳卒中後片麻痺の明らかな改善を認めた。血中BDNF濃度については、症例によってばらつきがあるものの評価前後で明らかな変化は認めなかった。BDNF遺伝子多型については今後計測予定としており、さらに30症例を目標に症例数を増やす予定である。 慢性期脳卒中症例については経頭蓋直流電気刺激(tDCS)の片麻痺改善に対する効果と血中BDNFやBDNF遺伝子多型との関連についての検討を目的としている。8名が研究に参加しており、経頭蓋直流電気刺激(陽極刺激を麻痺側一次運動野、2mA, 20min,5日間)とSham刺激とを6か月以上の期間を空けて実施し、比較検討した。4名が本刺激と偽刺激を終了し,そのうちの3名に関して血中BDNF濃度を測定したが、本刺激と偽刺激で血中濃度の変化の相違は認めなかった。慢性期については症例数が少ないために血中濃度の変化についての判断が困難であり、今後症例数を増やして遺伝子多型も含めて検討予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳卒中後の亜急性期、慢性期ともに30症例を目標としている。症例の登録に関しては亜急性期は21症例、慢性期は8症例であり、今後も順調に症例を積み重ねられると見込まれるため、血中濃度の測定を含めておおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き症例を積み重ねて、目標症例数に達するように実施していきます。また血中濃度測定や遺伝子多型の検討についても、タイミングをみて早期に計測するようにしていきます。
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Causes of Carryover |
検体提出に関して、最低金額で測定できるタイミングを見計らっていたため、未使用額が生じた。今後の検体計測に使用する予定である。
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