2019 Fiscal Year Research-status Report
脳梗塞サルにおけるBMIを用いたリハビリテーションの回復メカニズムの解明
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19K11384
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
梅田 達也 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 モデル動物開発研究部, 室長 (90376723)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マーモセット / 末梢感覚神経 / 筋活動 / 皮質脳波 |
Outline of Annual Research Achievements |
マーモセットはマカクサルと比べてオペラント条件付けが困難であるといわれる。令和元年度では、マカクサルと同様の実験が行えるよう、動物に負荷をかけずに上肢運動が可能な新規チェアを開発し、トレーニング手法を確立した。具体的に、マーモセットが逃げない一方、上肢を自由に動かせ、さらに上肢の運動をカメラで記録できるようにするため、腰で保定するチェアを作った。次に、マーモセットが実験ブース内でチェアに座っている時間がながくなるように馴化を行った。馴化後、手をホームボタンに一定時間置いたのちに、レバーをひく運動ができるようトレーニングを行った。このトレーニングの過程で、マーモセットの上肢運動の大きさに合わせて適宜、レバー装置の改良を行った。 次に、多電極記録・刺激装置を購入し、多電極記録・刺激する実験システムを構築した。また、マイコンを用いて、上肢運動タスクをコントロールするシステムを構築し、記録システムと連動するようにした。トレーニングを行ったマーモセットの皮質脳波電極・筋活動記録電極・上肢の末梢感覚神経(正中神経)への刺激用カフ電極を埋めこみ、覚醒下マーモセットから筋活動や皮質脳波を記録することができるようになった。レバー引き運動に関連した筋活動と皮質脳波を記録することに成功した。次に、覚醒下マーモセットの末梢感覚神経に電気刺激を与え、その体性感覚応答を運動感覚野の多領域から記録することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規にチェアを開発し、タスク中の皮質脳波と筋活動を記録することに成功した。一方で、トレーニングを行いタスクができるようにしたが、複数回の埋め込みという難易度の高い手術が原因のため、一部のサルでは運動障害が生じてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度5月より京都大学に赴任することになり、マーモセットの実験環境を一から立ち上げることとなった。飼育・実験室がないため、工事から始める状態である。そこで、令和2年度では、令和元年度で行ってきたことを再現できるように目標を立てている。
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Causes of Carryover |
前倒し請求したのちに相補的なテーマで他の助成金を受領することになり、さらにその助成金が当該年度中に使用しなければならなかったため、優先した。
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Research Products
(3 results)