2019 Fiscal Year Annual Research Report
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19K11385
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
船越 智子 (石井智子) 順天堂大学, 医学部, 特任助教 (90318460)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 筋サテライト細胞 / 組織幹細胞 / シングルセルトランスクリプトーム |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、ラットの骨格筋から単離した初代培養細胞を用いた分化実験により、動物の月齢の違いや性別によって骨格筋や脂肪への分化効率が異なることを確認していた。そこで、シングルセルトランスクリプトーム解析により適した実験動物としてマウスへ対象を変更することとし、まず、マウス骨格筋から単核細胞の単離を試みた。また、組織幹細胞を多く含むことが知られている脂肪組織から得られるSVF(stromal vascular fraction, 間質血管細胞群)、肝実質細胞などについても、同個体から採取してシングルセル解析を行った。 マウスでは筋サテライト細胞の表面抗原を指標にした単離法が確立されている。単離した骨格筋を酵素処理で分散させた後、血球系、間質系の細胞群を除き、筋サテライト細胞のマーカーを利用して単離する方法が一般的であるが、本課題の目的から、血球系細胞を除いた細胞を解析対象とした。これらの細胞は分化培地での培養3-5日後には細胞融合して筋管細胞へと形態変化することが確認できた。 マウス個体より単離したSVFや肝実質細胞についてはシングルセルトランスクリプトーム解析を行い、SVFに含まれる細胞の多くは血球系や血管等を構成する内皮系細胞であったが、未分化性の高い細胞の集団が存在しすること、加齢によって分化維持に関わる遺伝子発現レベルが変化することが分かった。また、肝実質細胞の解析の結果からは、分散した個々の細胞のzonationマーカー遺伝子の発現パターンにより、肝臓組織の位置が予想できること、さらに加齢で変化する遺伝子を同定することが出来た。 以上のように、骨格筋構成細胞の単離と、得られた細胞の培養と分化性質の確認、トランスクリプトーム解析について複数細胞種を用いて確認することができたが、第一の目的である、骨格筋より単離した細胞群のトランスクリプトーム解析まで実施するまでに至らなった。
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Research Products
(5 results)