2020 Fiscal Year Research-status Report
複合現実(MR)とHAL単関節を用いた上肢機能改善効果とその神経基盤の解明
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19K11391
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
松下 明 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 講師 (80532481)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 1.5T MRIによる機能的MRI / 回復期リハビリテーション / ロボットスーツ / 拡張現実 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究課題から引き続き、上肢運動の実施、評価用ソフトウェアの開発を行ってきた。本年度は、拡張現実(AR)デバイスを用いた臨床研究の実施に向けた開発を中心に行った。これまで開発を行なってきた、対象物の表示やデバイス装着者への指示方法の改善、上肢の動きの追跡、試験課題におけるセッションの組み立て方などについて、可能な範囲でリハビリテーションスタッフなどからの意見聴取などを繰り返しながら開発を継続した。特に難易度については、上肢運動の困難感を測定された運動の範囲,速さ,精度などに基づき評価値に変換し、得点の加算や難易度のコントロールに利用する予定であるが、現在、その方法の開発が当面の大きな課題となっている。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、パラメータの検証などを目的とした臨試験が実施できず、開発は限定した環境で継続することになった。必要な検証を伴う試験が実施困難であったため、今後も難易度の評価方法については調整を継続していく必要があると考えている。 なお、当院では入院と外来、病棟間でリハビリテーション環境のゾーニング、スタッフのゾーニングを実施し、またMRIの使用にも制限が設けられている。その影響もあり、リハビリテーション室、MRI室での実地試験などは、今後の感染予防措置の状況などを考慮しながら再検討が必要と考えている。限定した環境での評価であったり、一定した難易度での評価であったり、代替となる方法での臨床試験の実施も検討している。また、単関節HALの利用も実施しなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、アプリケーションの検証などを目的とした臨試験は実施せず、開発は限定した環境で継続することになった。次年度も、臨床試験実施については、ワクチンの接種状況や感染状況に依存している。しかしながら、可能な範囲で前進するため、引き続き、限定した環境、メンバーではあるが、完成度の向上を目指して開発を継続する予定である。そのため、研究期間延長を視野に入れつつ、可能な範囲で令和3年度からの臨床試験の開始を検討している。 その他、研究環境の点では、当院の放射線科、リハビリテーション科の協力は限定的な環境ではあるが、継続的に得られている。また、当院の作業療法士、理学療法士の協力が得られている。スムーズに臨床研究に移行できる体制を維持していく。 しかしながら、残された期間の短縮が予想され、必要なサインプルサイズの再検討など、試験デザインの変更も並行して検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
当面は、アプリケーションの開発を継続し、完成度の向上を目指す。また、可能な範囲で実地試験を実施し、一般の臨床試験開始が可能になった時点で、早急に試験を開始できる様に準備を行う。 並行して、サンプルサイズの調整も含め、試験デザインの再検討も行なっていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、予定していた実証試験、臨床試験が実施できなかった。また、昨年度に購入予定だった購入が年度末になり、当面に必要な機器、ソフトウェアが得られていた。 来年度においは、予定していた追加の備品の購入、臨床試験の必要経費などで使用する予定である。
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Research Products
(4 results)