2019 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中患者の麻痺側上肢の鉛直運動ロボットの開発と臨床効果
Project/Area Number |
19K11399
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
宮坂 裕之 藤田医科大学, 医療科学部, 研究員 (00440686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 英人 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (30410707)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳卒中 / 上肢機能 / ロボット療法 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの上肢ロボットの多くは、水平面上の操作を主体とし、鉛直方向への操作はほとんど行われていない。そこで本研究は、鉛直方向の上肢練習支援を行うShoulder Movement Assisting RoboT(SMART)を開発し、エビデンスレベルの高いデザインである無作為化比較試験により訓練効果の検討を行う。無作為化比較試験を実行する前に、少数例による実行可能性を検討した。 症例Aは右片麻痺を呈した40歳代の男性で、発症からSMART開始までの期間は約3ヶ月、上肢のFugl-Meyer assessment(FMA)合計点は13点、上腕二頭筋のModified Ashworth Scale(以下、MAS)は2であった。症例Bは右片麻痺を呈した60歳代の男性で、発症からSMART開始までの期間は約2ヶ月、上肢のFMA合計点は22点、上腕二頭筋のMASは0であった。 ロボットによる上肢練習支援の課題を椅子座位における肩関節の屈曲運動とし、1日100回、週5日、2週間の介入を行った。初回の運動範囲は、ロボットアーム装着時の肩関節角度を10回測定し、その平均値+15度を練習の目標値とした。以降は設定した運動範囲の運動を100回連続で完遂するたびに5から10度の範囲で目標となる角度を増加させた。実験デザインはA(介入:開始時-2週)-B(非介入:2週-4週)-A(介入:4週-6週)デザインとした。SMART開始時、2週後、4週後、6週後にFMA、自動運動可動域の評価を行った。 以下、FMAと自動運動可動域の結果(開始-2週-4週-6週)を示す。症例AのFMAは13-17-19-19、自動運動可動域(度)は、23.0-47.9-53.9-68.3であった。症例BのFMAは22-31-31-33、自動運動可動域(度)は、44.3-59.4-62.2-92.7であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
少数例によるFeasibilityの検討が終了し、無作為化比較試験を開始した。本研究は特定臨床研究であり、jRCTへの登録も終了している。目標とする患者数は50名で、現在の登録患者数は3名である。
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Strategy for Future Research Activity |
年間を通して、対象とする患者の増減があるため、研究分担者と協力し、症例を集積する。
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Causes of Carryover |
次年度、Feasibilityの検討の結果について、学会発表を行う予定である(第54回日本作業療法学会:新潟、演題登録済み、採択結果は未定)。また、この検討結果について、論文投稿予定であり、それに必要な投稿料に使用予定。
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