2023 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中患者の麻痺側上肢の鉛直運動ロボットの開発と臨床効果
Project/Area Number |
19K11399
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
宮坂 裕之 藤田医科大学, 保健衛生学部, 研究員 (00440686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 英人 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (30410707)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 上肢リハビリテーション支援ロボット / 脳卒中 / 上肢機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的は、鉛直運動が可能な上肢リハビリテーション支援ロボットを開発し、臨床における実行可能性及び効果を検証することである。Feasibilityの検討として、回復期リハビリテーション病棟に入院した脳血管疾患患者9名に対 し、Shoulder Movement Asisting RoboT(SMART)を用いて運動機能の改善効果と安全性について検討を行った。A-B-Aデザインを採用し、SMARTによる介入は2週間とし、開始から2週後、4週後から6週後、SMARTの非介入期間は2週後から4週後とした。運動課題はSMARTを用いた肩関節屈曲運動を 1日100回、週5日、2週間とし、通常訓練に追加して行った。初回にロボットアーム装着時の肩関節角度を10回測定し,その平均値に10度加算した運動範囲を練習の目標値とした。以降は設定した運動範囲の運動を100回連続で完遂するたびに5-10度の範囲で目標となる角度を増加させた。結果は、Fugl-Meyer Assessmentの肩・肘スコアは8.6から11.4に、FMA上肢合計スコアは15.6から19.1に、肩関節屈曲自動可動域は32.8度から55.6度にそれぞれ有意に改善した(p<0.01)。安静時の肩関節の疼痛を示すFace Rating Scaleは9名中8名が不変で1名が1点減弱し、安全性においても問題が見られなかった。 SMART群とコントロール群の2群比較では、SMART群16名、コントロール群14名が累積しており、メインアウトカムであるFugl-Meyer Assessment合計点の利得がSMART群8.3点、コントロール群6.3点であり、有意差は見られなかった。セカンドアウトカムである、肩関節屈曲の自動運動角度の利得はSMART群23.0度、コントロール群9.3度であり、SMART群で有意に改善した(p<0.05)。さらに、上肢の機能的スキルを評価するFSMAP (Functional Skills Measure. After Paralysis)はSMART群6.2点、コントロール群2.5点であり、SMART群で有意に改善した(p<0.01)。
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