2023 Fiscal Year Annual Research Report
舌悪性腫瘍術後における生理学的変化の解明と口腔リハビリテーションの効果の検証
Project/Area Number |
19K11401
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
貴島 真佐子 大阪歯科大学, 医療保健学部, 講師(非常勤) (40838091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 要 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (80632083)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 舌悪性腫瘍 / 口腔リハビリテーション / 摂食嚥下障害 / 超音波検査 / オトガイ舌骨筋 / 栄養 / 口腔機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、舌悪性腫瘍術後患者の舌の器質的および機能的障害に口腔リハビリテーション(以下、口腔リハ)と栄養指導が有効であるかについて検証することである。舌の悪性腫瘍術後では、手術部位やその範囲に応じて摂食嚥下障害、構音障害等が出現する。本研究では、超音波診断装置にて腫瘍手術前後の舌の筋面積の生理学的変化を評価した。あわせて四肢骨格筋量等を体組成計にて測定し舌の筋面積を比較検討した。 研究計画は当初3年間の予定であったが、COVID-19の影響で研究整備開始から半年間は実施困難であった。そのため研究期間を2年間延長した。実施3年目から4年目にかけて対象者を選定し実測データの収集を行った。対象者は20名ほどであったが、COVID-19のさらなる拡大により受診率の制限などもあり最終該当人数は6名であったが、これらの対象者においては開始より6ヶ月間の口腔リハの実施および機能的調査と栄養状態の調査について追跡研究が可能であった。6名のうち1名は全頸部郭清術を実施しており、舌の筋面積の経時的変化について追跡調査した。研究実施4年目でこれらの成果について学会発表を行った。最終年度において論文投稿を行った。 本研究を通し、オトガイ舌骨筋および顎二腹筋における安静時の筋量は、舌部分切除患者においては、ほとんど変化は見られなかった。一方、頚部郭清術後患者においては術後3ヶ月で増加し、術後6ヶ月で減少していた。舌悪性腫瘍患者においては、切除範囲が広範囲であるほど術前より口腔機能が低下していることが考えられた。そのため術前から口腔機能の評価や栄養指導を行うことが重要であることが考えられた。
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