2019 Fiscal Year Research-status Report
経口的喉頭機能温存手術後の音声・嚥下機能評価と機能障害予防への展開
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19K11406
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
谷合 信一 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 耳鼻咽喉科学, 助教 (80433598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇野 光祐 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 病院 耳鼻咽喉科科, 助教 (20464828)
荒木 幸仁 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 耳鼻咽喉科学, 准教授 (70317220)
塩谷 彰浩 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 耳鼻咽喉科学, 教授 (80215946)
冨藤 雅之 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 病院 耳鼻咽喉科科, 講師 (80327626)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 嚥下障害 / 音声障害 / 頭頸部癌 / 経口的咽喉頭部分切除術 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は経口的咽喉頭部分切除術(TOVS)術前の予防的嚥下訓練について下記の結果を得た。予防的訓練は、呼気抵抗負荷トレーニング(EMST)を用いた呼気訓練とし、研究実施施設での倫理委員会審査を経て、データ収集を開始した。現在まで5例のデータ収集を終えている。対象は下咽頭癌の男性5名で、平均年齢83.5±2.2歳であった。評価項目は、訓練期間、訓練実施率、訓練実施前後の最大呼気圧(maximum expiratory pressure:MEP)、最大吸気圧(maximum inspiratory pressure:MIP)、舌圧とした。訓練方法は、EMSTのプロトコルに従いMEPの75%に負荷を設定、25回/日、週5日実施した。 結果は、平均訓練期間は3.6±6.4日、訓練実施率95.2±6.0%、平均MEPは訓練前69.8±26.7cmH2O、訓練後87.2±34.7cmH2O、平均MIPは訓練前41.9±28.4 cmH2O、訓練後74.0±31.3 cmH2Oであった。訓練実施率は非常に良好であり呼吸機能の改善を認め、術前訓練としての有用性が示された。 音声障害については、ステロイド注射による瘢痕化防止について検討を行った。対象はTOVS術直後の創部にステロイド局所注入を行い、外来で3か月以上経過観察しえた症例とした。さらに対照群として、過去に当院でTOVSを施行しステロイド局注を行っていない症例の中からT stage、切除部位・深度・面積等を局注群と適合させた非局注群を設定した。結果は、局注群、非局注群は各々20症例であった。瘢痕拘縮の程度に関して両者を比較したところ、局注群において有意に程度の改善を認めた。声帯運動障害、下咽頭の狭窄、合併症に関しては両群において有意差を認めなかったが、声帯運動障害に関しては局注群において改善傾向はみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の関しては、ほぼ計画通りに進めることができた。 ただし次年度以降に関しては、COVID-19による対象症例の減少が予想され、研究の進捗に影響が出る恐れがある。
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Strategy for Future Research Activity |
EMSTを用いた予防的嚥下訓練については、さらに症例の蓄積を進め、術後嚥下機能に関する影響を含め研究を進める。
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Causes of Carryover |
今年度購入を予定していたソフトウエアを次年度以降に回したことと、予定より購入費を節約することができたためである。
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Research Products
(11 results)