2021 Fiscal Year Research-status Report
コエンザイムQ10投与による運動野の可塑性変化を介した老齢期の運動学習向上
Project/Area Number |
19K11407
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
井上 律子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (20583826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳井 修一 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (60469070)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 運動野 / 老化 / 神経可塑性 / コエンザイムQ10 / 運動機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
運動機能は加齢に伴って低下する。その原因のひとつは運動に関わる脳(皮質運動野)の加齢変化に伴う機能低下であり、高齢者のリハビリテーションを難しくしていると考えられる。本研究では、運動機能と運動野の神経可塑性における加齢変化に着目し、ミトコンドリア補酵素であるコエンザイムQ10 (CoQ10)投与により中・高年期の運動機能や運動学習の低下を改善する方法を探索する。 加齢に伴って低下する運動機能の神経基盤には、運動野の神経活動の低下および可塑性の性質変化が関与すると考えられる。老化動物では運動機能の低下に加え、脳ミトコンドリア機能低下、運動野の組織学的・電気生理学的変化がみられる。これらの生理的な加齢変化は水溶ナノ化CoQ10投与により回復することが明らかとなってきた。2021年度は、これまで見出したCoQ10投与により誘導される長期増強(LTP)が運動野の加齢変化に及ぼす影響とその生理学的意義を電気生理学的に検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
自然老化動物を取り扱う上で避けられない現象であるが、老化動物(15-18ヶ月齢マウス)ではCoQ10投与に対する反応性に個体差があることが明らかとなってきた。これまで詳細を解析してきたCoQ10投与により誘導される長期増強(LTP)の成分分析と加齢変化における影響の解析を行うにあたり、CoQ10の効果が十分に得られた個体から取得したデータのみを解析する必要が生じた。そのため実験回数が増え、スケジュールの遅れが生じた。実験は完了したので投稿準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
投稿準備中であるため期間延長を申請した。老化動物においてCoQ10投与の効果を最適化する条件の検討は引き続き行う。
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Causes of Carryover |
実験スケジュールの延長により次年度使用額が生じた。学会発表、論文投稿(英文校閲費、掲載手数料等)に関わる費用に使用する。
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Research Products
(1 results)