2023 Fiscal Year Annual Research Report
コエンザイムQ10投与による運動野の可塑性変化を介した老齢期の運動学習向上
Project/Area Number |
19K11407
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
井上 律子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (20583826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳井 修一 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (60469070)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 老化 / 皮質運動野 / 神経可塑性 / 運動 / コエンザイムQ10 / ユビキノン |
Outline of Annual Research Achievements |
運動機能は加齢に伴って低下する。その原因のひとつは運動に関わる脳(皮質運動野)の加齢変化に伴う機能低下であり、高齢者のリハビリテーションを難しくしていると考えられる。本研究では運動機能と運動野の神経可塑性における加齢変化に着目し、ミトコンドリア補酵素であるコエンザイムQ10 (CoQ10)投与による中・高年期の運動機能低下の改善を試み、その機序を解明する。 加齢に伴って低下する運動機能の神経基盤には、運動野の神経活動の低下および可塑性の性質変化が関与すると考えられる。初期老化に相当する中年動物では運動機能の低下に加え、脳ミトコンドリア機能低下、運動野の組織学的・電気生理学的変化がみられる。これらの生理的な加齢変化は水溶ナノ化CoQ10投与により回復することが明らかとなってきた。 本研究では、1)老化初期に相当する中年の段階から皮質運動野の神経活動が低下する、2)中年動物において、CoQ10投与により誘導される長期増強 (LTP) が加齢により低下した運動野の神経活動レベルを底上げする、3)若年動物ではCoQ10投与の効果がみられないが、中年動物において一部の運動機能を改善することをこれまで明らかにした。2023年度は、高齢マウスの皮質運動野においても神経活動の低下がみられることを示し、またCoQ10投与の効果を電気生理学的に検証した。
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Research Products
(1 results)