2020 Fiscal Year Research-status Report
心大血管リハビリテーションによるHDL機能の改善と再発予防効果の解明
Project/Area Number |
19K11426
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
木庭 新治 昭和大学, 医学部, 教授 (20276546)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 裕哉 昭和大学, 医学部, 講師 (00465105)
正司 真 昭和大学, 医学部, 講師 (50384392)
礒 良崇 昭和大学, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (60384244)
角田 史敬 昭和大学, 医学部, 講師 (60384393)
新家 俊郎 昭和大学, 医学部, 教授 (60379419)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | small dense LDL / HDL / 冠動脈疾患 / paraoxonase-1 / aryl esterase / 心臓リハビリテーション / 脂肪酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
急性冠症候群(ACS)患者142例の発症時と10ヶ月後の追跡時の血清脂質マーカーを測定した。ACSの非責任冠動脈の動脈硬化病変が進行した進展群と変化しなかった非進展群で比較した。心血管イベントとして心疾患死亡、心筋梗塞、脳卒中または冠動脈血行再建術を定義した。進展群29例と非進展群113例であった。ほとんどの症例が心臓リハビリテーション参加者で、心リハ参加の有無では解析できなかった。ACS発症時の脂質値は両群間で同等であった。追跡時では進展群で、small dense LDL-cholesterol (sdLDL-c)、triglyceride (TG), remnant lipoprotein cholesterol (RL-c)とアポリポタンパクC3 (apoC3) が有意に高値であった。いずれもTG-richリポタンパク(TRL)のマーカーであった。冠動脈硬化進展に対する予測値はsdLDL-C 20.9 mg/dL、TG 113 mg/dL, RL-c 5.5 mg/dL、apoC3 9.7 mg/dLであった。各々のカットオフ値で心血管イベントを比較したところ、sdLDL-c高値 (20.9 mg/dL以上)のみが心血管イベントと関連した(log-rank 4.123, p = 0.043). sdLDL-Cが冠動脈硬化の進展および心血管イベントと関連する有用なマーカーであった。一方TRLも冠動脈硬化の進展と強く関連した。TRLが内因性の多価不飽和脂肪酸の産生と関連するか検討するため、脂質低下薬を服用していない初回発作のACS男性患者436例で断面調査を行った。アラキドン酸(AA)/デホモガンマリノレン酸(DGLA)比でデルタ5脱飽和化酵素活性(D5D)を算出した。D5D活性低値群でsdLDL-c、LDL-C、マロンデアルデヒド修飾LDL、apoBすべてのTRLが有意に高値であった。内因性の多価不飽和脂肪酸の産生低下がsdLDL-cやTRLなど動脈硬化惹起性リポタンパクの増加と関連した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染症の蔓延による、外来心臓リハビリテーション縮小のため、登録患者が減少し、登録患者も週3回の十分な心臓リハビリテーションを実施できていないため、従来に心臓リハビリテーション群と同等に扱えない状況である。また脂質測定も遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
リポタンパクの代謝に関連する酵素活性を急性冠症候群発症時と追跡時の2回を203例の測定が終了し、現在データ分析中である。早々に中間解析を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の蔓延化により研究が遅れているため。
|
Research Products
(12 results)