2022 Fiscal Year Research-status Report
心大血管リハビリテーションによるHDL機能の改善と再発予防効果の解明
Project/Area Number |
19K11426
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
木庭 新治 昭和大学, 歯学部, 教授 (20276546)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 裕哉 昭和大学, 医学部, 講師 (00465105)
正司 真 昭和大学, 医学部, 講師 (50384392)
礒 良崇 昭和大学, 医学部, 准教授 (60384244)
角田 史敬 昭和大学, 医学部, 講師 (60384393) [Withdrawn]
新家 俊郎 昭和大学, 医学部, 教授 (60379419)
吉田 博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30333529)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | small dense LDLコレステロール / 心臓リハビリテーション / リポ蛋白リパーゼ / HDLコレステロール / HDL関連抗酸化酵素 / HDLコレステロール引き抜き能 / 冠動脈プラーク |
Outline of Annual Research Achievements |
急性冠症候群発症時の冠動脈病変に強く影響する脂質因子の分析結果を論文発表した。従来の古典的因子であるLDLコレステロールではなく、LDL亜分画のsmall dense LDLコレステロール(sdLDL-C)、トリグリセライド(TG)リッチリポ蛋白コレステロール、レムンナントリポ蛋白コレステロール、アポリポ蛋白C3と高度に脆弱な冠動脈プラークとの関連を見出した。特にsdLDL-Cがプラーク破裂、コレステロール結晶の表在化、脂質に富んだプラークびらんに強く関与した。従って、LDLとともにTGの関与が重要であり、両者と相関するsdLDL-Cの管理が重要である。 急性冠症候群患者535例を6カ月間の心臓リハビリテーション完遂群(心リハ群)と脱落群に分けて比較した結果では、心リハ群で、large LDL-C、sdLDL-C、LDL-TGのいずれも低下効果が大きかった。 TGの代謝を規定するTGリパーゼの変化を心リハ群118例と非心リハ群49例で比較した結果では、心リハ群でリポ蛋白リパーゼ(LPL)が有意に上昇し、肝性TGリパーゼ(HL)は有意に低下した。内皮リパーゼ(EL)は両群ともに有意に低下した。運動耐容能の変化の有無での解析では、運動耐容能が増加した群でのみLPLは上昇し、HLは低下した。LPLとHLの改善には心リハの効果としての運動能力の改善が必要であった。心リハ前後でHDL関連抗酸化酵素活性(paraoxonase-1とarylesterase)を測定した結果では、心リハによりparaoxonase-1は上昇したが、高強度スタチン治療はその効果を減弱させた。心リハによる脂質改善には運動能力の変化と脂質低下療法薬が影響しており、その分析には多因子による解析が必要である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナウイルス感染症の影響により米国および国内の共同研究者での検体測定に時間を要している。臨床経過のデータ入力作業が遅れている。HDLコレステロール引き抜き能の測定に新たな方法を追加した。研究倫理委員会の審査に時間を要した。
|
Strategy for Future Research Activity |
HDLコレステロール低き抜き能の測定を新たな分担研究者が開発した方法により行う予定である。臨床研究倫理委員会での審査の承認もえられている。臨床経過のデータ入力作業をすすめる。
|
Causes of Carryover |
検体測定に使用する試薬の保存期間が短いため、全検体を短期間に一括で実施するため、すべての検体を次年度でまとめて測定を行うため。
|
Research Products
(10 results)