2019 Fiscal Year Research-status Report
ダウン症児の吃症状における関連要因の分析とその対処法の確立
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19K11427
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
橋本 久美 日本歯科大学, 生命歯学部, 医療職員 (40733738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西脇 恵子 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (20398879)
高島 良代 日本歯科大学, 生命歯学部, 医療職員 (30733737)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ダウン症候群 / 吃音 / 言語訓練 / 言語発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
吃症状はダウン症候群児者の発話の特徴のひとつで、軽度から中等度の知的能力のダウン症候群児者の約40%が吃症状を有するとされ、一般的な吃症状とは発生機序が異なるとされている。一般的に、吃症状以外の症状が見られない場合に吃音に対する指導などがなされるため、ダウン症候群児者の吃症状に対処することは考えられることがほとんどない。一方、臨床場面ではダウン症候群児者の保護者から、吃症状に関する相談を受けることは多く、しかし先のことから、直接的な介入を避けることを余儀なくされている。 以上より、ダウン症候群時の吃症状の重症度と知的機能、言語機能の段階を踏まえた上で、その吃症状のメカニズムを明らかにし、ダウン症候群児者の吃症状における効果的な関わり方を明らかにすることを目的とする。 本研究では、吃音のあるダウン症候群児を対象に、吃症状と言語機能などを評価し、環境面も含め経時的な変化を分析することを計画し、今年度実施した。言語能力が上がると吃症状が軽減するケースや、就学後のストレスなどから吃症状が増加したケースなどがみられた。その他、吃症状は変わらないケースがほとんどだった。 また、吃音に対する訓練の有効性については、訓練が不適応な者が多く実施できるケースが3ケースと非常に少なかったため、その有用性を述べるまで明らかにはできなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
年齢の高低、知的機能の高低で4群にグループ分けをした上で訓練を実施し、訓練の有効性を検討するという計画だったが、集まった症例15名のうち吃症状に対する訓練を実施できる者(吃症状の自覚があり、訓練を実施の目的を理解して取り組める者)が3名しかいなかったため、訓練の有効性を検討するに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
ダウン症候群児にみられる非流暢な発話は、吃症状のみならず、クラタリングの症状もみられるため、クラタリングも含めた検討をする必要があると考える。
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Causes of Carryover |
当初の予定に比べ、物品購入に時間がかかっており購入できていない物品があるため、また、研究計画の方針を変更することから今後必要物品が新たに発生するため、次年度使用額が生じている。
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