2019 Fiscal Year Research-status Report
超音波刺激による筋損傷からの回復促進にマクロファージは必要か?
Project/Area Number |
19K11431
|
Research Institution | Aichi Medical College for Physical and Occupational Therapy |
Principal Investigator |
木村 菜穂子 愛知医療学院短期大学, 理学療法学専攻, 講師 (00544751)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
縣 信秀 常葉大学, 保健医療学部, 准教授 (00549313)
清島 大資 愛知医療学院短期大学, 理学療法学専攻, 准教授 (80756370)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 筋損傷 / マクロファージ / 超音波 |
Outline of Annual Research Achievements |
筋損傷からの回復を促進させる理学療法を開発することは必要である.これまでの動物実験モデルを用いた研究から,超音波刺激は筋損傷の回復を促進させることが分かった.しかし,そのメカニズムについては不明である.筋再生には,免疫細胞,筋衛星細胞,筋細胞の間で生じる複雑なCross-talkが関与していることが報告されている.本課題では,筋衛星細胞,マクロファージの初代培養細胞を用いて,超音波刺激がマクロファージに及ぼす影響を検証し,筋損傷からの回復促進のメカニズムを明らかにすることを目的とした. 本年度は,まず超音波刺激によってマクロファージから分泌される因子で筋衛星細胞の増殖が促進されるかどうかを検証するために,マクロファージの初代培養を試みた.マウスの腹腔から,腹腔マクロファージを回収し,培養した.培養したマクロファージに超音波刺激を行い,超音波刺激がマクロファージの分化に影響するかどうかを免疫組織染色によって解析を試みた.また,培養したマクロファージに超音波刺激を行い,その培地を培養した筋衛星細胞に添加し,筋衛星細胞の増殖をEdU Click-iTによって測定した.その結果,超音波刺激を行った培地を添加すると筋衛星細胞の増殖が促進されることが分かった.一方で,ELISA法による超音波刺激によってマクロファージから分泌が促進される因子の同定はできなかった.また,超音波刺激が,マクロファージの分化に影響するかどうかも解析が十分ではない.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
超音波刺激によってマクロファージから分泌が促進される因子の同定ができなかった.その理由として,当初考えていた因子とは異なる因子が関与している可能があり,他の因子を解析する必要が出てきたため. また,超音波刺激が,マクロファージの分化に影響するかどうかも解析が十分ではなかった.これはマクロファージの分化を評価するためのM1,M2マクロファージを同定する抗体による免疫染色がうまくいっていないためである.
|
Strategy for Future Research Activity |
超音波刺激によってマクロファージから分泌が促進される因子の同定をすすめるために,他の因子の解析をすすめる. また,超音波刺激が,マクロファージの分化に影響するかどうかの解析を進めるために,他の抗体による免疫染色を試していく.
|
Causes of Carryover |
超音波刺激によってマクロファージから分泌が促進される因子の同定ができず,また超音波刺激がマクロファージの分化に影響するかどうかも解析が十分ではなかったため,当初予定していた計画まで進まなかったから.
|