2021 Fiscal Year Annual Research Report
新規核酸バイオマーカー cfDNAのオーダーメイド運動処方への応用
Project/Area Number |
19K11434
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
川上 康 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70234028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 清司 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (30282346)
竹越 一博 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40261804)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | cfDNA / ”Liquid biopsy” / 運動のバイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
ガン診断分野における最新技術である”Liquid biopsy”は、組織を穿刺することなく血液や尿のcfDNAを用いることで、「無侵襲」かつ「繰り返し」な生体の様々な遺伝子の情報が「核酸マーカー」として得られる。本研究では””Liquid biopsy””を新規運動のバイオマーカーとして用いて運動量の定量を試みた。
血中cfDNAが、健康な人(主に男性)を対象とした様々な運動直後で一過性の増加を示すことは先行研究として報告されたきた。血中cfDNA濃度は Ⅰ)運動開始と中止に速やかに反応する、Ⅱ)運動量と濃度が比例する、Ⅲ)運動に伴う炎症、疲労・ストレス、筋損傷のすべてのファクターを単独で検出できる、という3つの特徴があり、日常的に測定するのが難しい運動による消費エネルギーを簡便に評価する指標になる可能性が示唆されていた。
我々は独自に下記の4点を明らかにした。Ⅳ)尿中cfDNA測定も、血中cfDNA測定とほぼ同様の動態を運動負荷に対して示す。Ⅴ) 時間の経過でサイズの異なるcfDNA断片が増加する。急速に増加する短いcfDNA断片は腎機能と関係した。他方、2時間以降に増加する長いcfDNA断片(1000bp以上)はCKやMBの如き筋損傷マーカーと相関を認めた。 Ⅵ)cfDNA濃度に性差を認めた。つまり、「血中濃度;男性>女性」、「尿中濃度;女性>男性」。Ⅶ)cfDNAの塩基配列をNGS解析により解析することで、当該運動に特異的な運動マーカーを得る方法を考案した。
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Research Products
(2 results)