2020 Fiscal Year Research-status Report
瞬時に適切な対応を選択する必要がある状況における運動の協調
Project/Area Number |
19K11437
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯野 要一 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (50345063)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ボール投げ / 冗長性 / 協調 / 関節運動 / 運動計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの多くの関節運動は、目的とする結果変数の数と比較して課題の遂行に利用できる関節運動の自由度が多いという意味で冗長性を有している。先行研究では、このような冗長性のあるの課題のうち、歩行などの周期的運動や単一の運動の反復課題において、遂行変数を協調して変動させることによって目的とする結果変数を安定化させていることが示されてきた。対人競技などでは変化する周囲の状況に合わせて瞬時に適切な対応を選択する必要がある。このような状況において、遂行変数間の協調がどのように変化するのかは明らかになっていない。本研究は、座位でのボールの上手投げと卓球のフォアハンドドライブについて、複数の選択肢から選択を要求される状況において、予め決められた運動を行う場合と比較して、遂行変数間の協調性がどのように変化するかを明らかにすることであった。 本年度は、昨年度行った座位でのボールの上手投げ課題についての実験の分析を進めた。現在12名の被験者について、マーカ座標データの補間作業を終えた。さらに、上級者2名についてボールのリリースパラメータの協調性をrandomization法を用いて評価した。選択肢が2,4の条件での協調性は予め決められた的を狙う条件と比較して、大きな差がみられなかった。今後、被験者数を増やして、この結果が共通して見られるかを確認する。 また、上肢の関節運動の協調性を調べるプログラムの作成と卓球のフォアハンドドライブ実験で選択肢を提示するシステムの検討も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、ボールの上手投げについて、不足している被験者の実験を行うとともに、卓球のフォアハンドドライブについての実験も進める予定であった。しかし、コロナ禍による緊急事態宣言の発令とそれに伴う学内の活動制限のために、予定していた実験を全く行うことができなかった。 そのため、昨年度行った実験の分析を進めた。コロナウイルス感染症対策のために必要な教育活動への対応に追われたため、十分とは言えないが実験の分析を一定程度進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画していた実験を行うことができなかったため、1年延長して研究を実施する予定である。今後はまず、ボールの上手投げについて野球経験者の被験者数を増やすための追加の実験を8月までに行う。同時に、卓球のフォアハンドドライブについての実験の実験系の構築を進め、翌年の3月までに実験を行う。 得られた結果をもとに、瞬時に適切な対応を取る必要がある状況において運動の協調性がどのように変化するのかについての知見をまとめ、学会発表や論文投稿を行っていく。
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Causes of Carryover |
本年度は当初予定していた実験ができず、人件費や謝金等の支出がなかったため、次年度使用額が生じた。先延ばしになった実験を行い、必要な消耗品購入や人件費・謝金に繰り越した経費を充当する。
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