2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K11438
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
奥村 基生 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (90400663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木島 章文 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (10389083)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 剣道 / 熟練過程 / 動作分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
フェイント動作は対人競技でみられる重要な技能であり,その研究は運動・スポーツ科学や教育のために有益な情報をもたらすと考えられる. 今年度は実験データの分析を進め,有効なフェイント動作の原理の解明を試みた.実験課題は,剣道競技を対象として,攻撃者は近い・遠い二者間距離から通常動作とフェイント動作で打撃し,防御者は防御した.そして,攻撃者の攻撃の成功率と,剣先の変位と速度を分析した.攻撃は,通常動作よりもフェイント動作で成功率が高かった.また,フェイント動作は距離の遠近で成功率に変化がなく,通常動作は遠い距離で成功率が低くなっていた.剣先の変位は,通常動作とフェイント動作ともに遠い距離からの攻撃で身体を相手方向に移動してから竹刀の動作を開始していた.また,フェイント動作ではさらに相手方向に移動してから竹刀の動作を終了していた.つまり,遠い距離からの攻撃では,防御者にどこが攻撃のターゲットかわからないようにするために竹刀の動作を遅く開始・終了して攻撃の成功率を維持しようとしていたと考えられる.また,打撃の剣先の速度は,通常動作よりもフェイント動作の方が高くなっていた.フェイント動作では剣先をターゲットとは逆方向に一度動かすことになり,関節を屈曲する角度や移動可能な距離が大きくなることなどが速度を高めたと考えられた.このような動作のタイミングの調整や高い速度がフェイント動作での攻撃の成功率を高めたといえる.一方で,竹刀動作の開始から打撃の終了までの全体の攻撃時間は,通常動作よりもフェイント動作で長くなっていた.これはフェイントから打撃動作を遂行中に相手から反撃される可能性が高くなることを意味しているのかもしれない.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の影響もあり実験やデータ分析に遅れがあるため,研究期間を1年間延長した.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は実験を再開する予定である.実験終了後のデータ分析では,攻撃の成功率に加えて,攻撃者と防御者の反応・運動時間と,運動学的データの解析をする.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の感染拡大によって実験を中断し,研究の進行が遅れ,学会に参加できなかったことなどによって旅費や謝金などの使用が減った.来年度以降に実験を再開して,計画通りに使用したいと考えている.
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