2022 Fiscal Year Annual Research Report
日常身体活動が血中ナトリウム利尿ペプチドに及ぼす効果に関する研究
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19K11441
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
西田 裕一郎 佐賀大学, 医学部, 講師 (50530185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 恵太郎 佐賀大学, 医学部, 教授 (50217022)
原 めぐみ 佐賀大学, 医学部, 准教授 (90336115)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 身体活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、これまでコロナの影響であまり進める事ができていなかったAlphaLISA法を用いた血清NT-proBNPの測定を進める事ができる状況になり、佐賀J-MICC Studyベースライン調査の参加者5,569人の血清検体の測定を終了した。その5,569人の中から身体活動データの欠損者、心筋梗塞・脳卒中などの生活習慣病をもつ者等を除外した男性1,824人、女性2,789人を対象として統計解析を行った。加速度計(ライフコーダ)を用いて客観的に評価した座位行動(座っている時間)、低強度活動(歩行レベル未満の活動)、中高強度活動(歩行レベル以上の活動)と血中NT-proBNPの関連を、Isotemporal Substitution (IS)モデルという行動の置き換え効果を推定できる解析アプローチを用いて解析した。
その結果、男性において、座位行動60分から中高強度活動60分への置き換えにより、血中NT-proBNPが23%低下するという結果が得られた。一方、女性では、そのような負の関連(血中NT-proBNPを低下させる身体活動効果)は見られなかった。また、飲酒習慣がない/飲酒量が比較的少ない男性よりも、飲酒量が多い(23 g/日以上)男性で、座位行動から中高強度活動への置き換え効果がより明確に認められた。結論として、男性において、座位行動から中高強度活動への置き換えにより血中NT-proBNPが低下する可能性が示唆された。また、その置き換え効果が、飲酒状況により修飾される可能性が示唆された。
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