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2019 Fiscal Year Research-status Report

プロスペクト理論によるスポーツ観戦行動の理論・実証研究

Research Project

Project/Area Number 19K11442
Research InstitutionJapan Women's University

Principal Investigator

福山 博文  日本女子大学, 家政学部, 准教授 (40409537)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 内藤 徹  同志社大学, 商学部, 教授 (90309732)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
KeywordsCVM / プロスポーツチーム / 経済的価値
Outline of Annual Research Achievements

本年度は地域においてプロスポーツチームがもたらす経済的価値を計測する方法であるCVM(Contingent Valuation Method)の適用可能性について検証を行った。
地域におけるプロスポーツチームの経済的価値を計測した海外の研究において,まず,アメリカのプロアイスホッケーチームのピッツバーグ・ペンギンズの価値を計測した研究(Johnson et al.(2001))では,ピッツバーグ市民にとってのペンギンズの非利用価値は年間527万ドルの価値(一世帯あたり平均5.57ドル)と算出された。また,スペインのデポルティーボ・ラ・コルーニャの非利用価値を計測した研究(Castellanos et al.(2011))では,スペインのア・コルーニャ市民にとってデポルティーボ・ラ・コルーニャの価値は年間354万ユーロ(一世帯あたり平均11.781ユーロ)と計測されている。一方,日本においては,横浜DeNAベイスターズの価値を計測した研究(福山・清水(2015))では,横浜市民にとってベイスターズは年間14億4,700万円の価値(一世帯あたり平均899円)があると計測され,福岡ソフトバンクホークスの価値を計測した研究(福山(2016))では,福岡県民にとって年間25億4,300万円の価値(一世帯あたり平均1,155円)があると算出されている。
これらの研究を単純比較すると,その価値はヨーロッパ>日本>アメリカの順になっている。これは,アメリカではプロスポーツの多様化が進んでいる(フットボール,バスケットボール,ベースボール,アイスホッケーなど)ため,消費者の需要が分散し1つのプロスポーツチームに対する価値は小さくなる。一方で,ヨーロッパではサッカーがプロスポーツ市場の大部分を独占しているため,消費者の需要が1つのスポーツチームに集中し価値が大きくなるからと言える。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究課題の最大の目的である地域のプロスポーツチームの観戦者行動をプロスペクト理論の観点から考察する上で,本年度の研究は非常に重要な位置づけにある。なぜならば,本年度の研究により,プロスポーツチームが地域住民にとってどれほどの価値を生み出すのかを計測したことによって,今後,その価値の大きさと観戦者行動の関係を検証することが可能となったからである。
本年度は研究分担者とプロスポーツチームの価値を計測する際の計量経済学的手法について綿密な打ち合わせを行うことでモデルの改良を進めた。研究者分担者とはこれまでに多くの共同研究を実施してきた実績があり,研究目的を達成するために効率的に研究を遂行することができた。また,研究会での発表を通して論文をブラッシュアップすることで,学術雑誌への投稿の準備も当初の計画通り順調に進んでいる。

Strategy for Future Research Activity

次年度は地域のプロスポーツチームのファンになるプロセスを文化伝達モデルを用いて考察する。研究を遂行するにあたり,空間経済学や行動経済学の知見が必要であり,この分野を専門とする研究分担者とより綿密な打ち合わせが必要である。最終的に得られた成果については,応用経済学の学会あるいは研究会で発表する予定である。

Causes of Carryover

当該年度における研究計画は予定通り進められたが,結果として,161,906円の差額が生じた。これは,3月にアメリカ合衆国への資料収集のための旅費として計上していたものだが,新型コロナウイルスの影響のため中止となったためである。この点については,メールやテレビ電話で研究分担者と話し合いを行い,関連する書籍や文献を購入することで代替可能であると判断した。そのため,研究計画に遅れは生じなかった。
(使用計画)
次年度に繰り越された161,906円は,今年度,現地調査に行って収集予定であった資料に代わる関連書籍および文献の購入費用として使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 地域とスポーツ2020

    • Author(s)
      福山博文
    • Journal Title

      『地域科学入門-鹿児島を変える14の視点』

      Volume: - Pages: pp.63-73

URL: 

Published: 2021-01-27  

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