• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2020 Fiscal Year Research-status Report

プロスペクト理論によるスポーツ観戦行動の理論・実証研究

Research Project

Project/Area Number 19K11442
Research InstitutionJapan Women's University

Principal Investigator

福山 博文  日本女子大学, 家政学部, 准教授 (40409537)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 内藤 徹  同志社大学, 商学部, 教授 (90309732)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywordsスポーツ観戦 / プロスポーツチームの公的支援 / 外国人プレーヤーのパフォーマンス
Outline of Annual Research Achievements

本年度は人々のスポーツ観戦行動を分析する上で重要なファクターと言えるスポーツチームのファン形成プロセスと公的支援について研究を行った。また,外国人プレーヤーの加入が当該スポーツ全体のパフォーマンスにどのような影響を与え,それが人々のスポーツ観戦行動に及ぼす効果について分析を行った。

まず,スポーツチームのファン形成プロセスと公的支援に関する研究では以下のような成果が得られた。スポーツチームの存在は地域住民に対して観戦を通した経験価値だけでなく存在価値など様々な無形の価値を与えるため,スポーツチームは地域における公共財的側面をもっている。したがって,スポーツチームを公的に支援することは望ましいことであり,公的支援額を増加することは,スポーツチームの投資コストを直接的に軽減し投資水準を高めるためスポーツファンを増加させる効果をもつ。一方,公的支援額の増加は地域住民の可処分所得の減少を引き起こし,スポーツ観戦への支出額を低下させ,スポーツファンの減少という効果も生み出してしまう。本研究の結果から,スポーツチームへの公的支援を実施する際はその効果を詳細に検証して実施の有無を判断しなければならないことが分かる。

次に,外国人プレーヤーの加入がスポーツ全体のパフォーマンスに及ぼす影響に関する研究では以下のような成果が得られた。全国高校駅伝(男子)の1966年から2016年の都道府県別のアンバランスなパネルデータ(unbalanced panel data)を用いて,外国人プレーヤーの起用は気候等をコントロールしトレンドを排除した上で約2.8分だけ記録タイムを縮めていることが分かった。このことは外国人プレーヤーの加入が全体のパフォーマンスだけでなく,国内プレーヤーのパフォーマンスにも好影響を与えることで人々のスポーツ観戦の動機を高める可能性を示した意義のある結果と言えるだろう。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究課題の最大の目的であるスポーツ観戦行動をプロスペクト理論の観点から考察する上で,本年度の研究は人々がスポーツ観戦に行く動機を理論・実証の両面から説明している点で重要な位置づけにあると言える。人々がスポーツ観戦に行くかどうかを判断する際,地元のスポーツチームのファンであるか否かは極めて重要なファクターである。ファン形成プロセスを理論的に明らかにしたことで,研究最終年度のプロスペクト理論によるスポーツ観戦行動を分析するための下地が整ったと言える。

今年度はコロナ禍により直接会って研究分担者と打ち合わせをすることができず,外国人プレーヤーの存在がスポーツ観戦行動に与える影響を実証的に示すところまでは行かなかった。ただ,Zoom等を使ってそれなりに細かいところまで議論をすることはできたので,次年度もZoom等をうまく利用し,研究打ち合わせや学会に参加したいと考えている。

Strategy for Future Research Activity

次年度は人々のスポーツ観戦行動をプロスペクト理論の観点から考察し,研究をまとめていく。そのため,研究分担者とは頻繁にZoom等を使って研究打ち合わせを行う予定である。そして明らかになった研究成果は国内学会あるいは国際会議で発表し,最終的に国際的な学術雑誌に投稿予定である。

Causes of Carryover

当該年度における研究計画は予定通り進められたが,結果として,226,680円の差額が生じた。これは,研究分担者との研究打ち合わせおよび国内学会への参加のための旅費として計上していたものだが,新型コロナウイルスの影響のため中止となったためである。この点については,Zoom等を使って研究分担者と研究打ち合わせを行い,Zoomで開催された国内学会にも参加することができた。そのため,研究計画に遅れは生じなかった。
(使用計画)
次年度に繰り越された226,680円は,遠隔会議をスムーズに進めるためのマイクやヘッドホン等の消耗品,現地調査に行って収集予定であった資料に代わる関連書籍および文献の購入費用として使用する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2021 2020

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] スポーツファンの選好形成プロセスと公的支援の役割-文化伝達モデルによるアプローチー2021

    • Author(s)
      福山博文
    • Journal Title

      家政経済学論叢

      Volume: 第56号 Pages: 13-31

  • [Journal Article] Estimating the impact of international student runners performance on total time: The case of all-Japan high school 'Ekiden' race2020

    • Author(s)
      内藤徹・小川光
    • Journal Title

      九州経済学会年報

      Volume: 第58集 Pages: 61-67

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2021-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi