2019 Fiscal Year Research-status Report
血栓形成関連因子の変動からみた運動強度閾値の季節・日内変動
Project/Area Number |
19K11444
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
石指 宏通 奈良県立医科大学, 医学部, 教育教授 (50260807)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フォンビルブランド因子 / ADAMTS13 / 季節変動 / 日内変動 / 運動強度閾値 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、血栓形成の際に「向」血栓化としての接着因子となるVWFと「抗」血栓化として血栓形成の成長に対するストッパー機能を持つADAMTS13の割合(VWF / ADAMTS13)に着目し、スポーツ活動時の血栓化について検討を行ってきた。その結果、血栓化傾向には運動の強度が大きく関与し、血栓化が顕著に進む閾値(VWFがADAMTS13を上回る強度)が55%VO2max付近に存在することを実験室的に明らかにしてきた。本研究ではフィールド現場でのランニング運動の強度閾値を定量化するとともに、この強度閾値に及ぼす季節や概日リズムの影響について検討し、各季節や時間帯における至適運動強度を明らかにすることを目的とした。今年度は10名の健常な男子大学生について秋季の快適環境下における低強度(50%VO2max)と中強度(60%VO2max)のランニング運動(25分間)を負荷し、血栓化の測定を行った。その結果、低強度でのランニングには血栓化が見られなかったのに対して(VWF / ADAMTS13:1.01 ± 0.17)、中強度ではVWFがADAMTS13を大きく上回る傾向が見られ(1.24 ± 0.27)、実験室的で定量化された運動強度閾値とほぼ同様に55%VO2max付近に存在し、血栓化傾向の進むことが明らかとなった。また、秋季においては血栓化のみられない至適運動強度(50%VO2max)のランニング運動における日内変動についは認められなかった( AM:7:30 vs PM6:00:1.01 ± 0.17 VS 0.98 ±0.18 )。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は秋季(2019年11月)と冬季(2020年2月)で季節変動と日内変動(AM7:30とPM6:00 )を検討する予定で計画していたが、2月に計画していた実験予定が、大学よりCOVID-19感染防止対策によるスポーツ活動の自粛要請が出された関係で実験を延期することとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
年度以降は、COVID-19感染防止対策の動向を見ながら、被験者の安全確保を図り、同意を得たうえで夏季(2020年8月)、冬季(2021年2月)について、それぞれ日内変動(AM7:30とPM6:00 )を含めて実施する予定である。また、上記の若年成人で得られた結果をもとに運動習慣のある中高年者を対象に老化の影響についても検討を加えていく予定である。
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Causes of Carryover |
当初は秋季(2019年11月)と冬季(2020年2月)で季節変動と日内変動(AM7:30とPM6:00 )を検討する予定で計画していたが、2月に計画していた冬季実験予定が、大学より、COVID-19感染防止対策によるスポーツ活動の自粛要請が出された関係で実験を延期することとなったため次年度に繰り越しとなった。
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