2019 Fiscal Year Research-status Report
スクリーンタイム制御によるスポーツ外傷/障害のリスク低減効果
Project/Area Number |
19K11446
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Research Institution | Tohoku Fukushi University |
Principal Investigator |
黒木 薫 東北福祉大学, 健康科学部, 講師 (10550189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢部 裕 東北大学, 医学系研究科, 助教 (00803016)
永富 良一 東北大学, 医工学研究科, 教授 (20208028)
水野 康 東北福祉大学, 教育学部, 准教授 (40261789)
土谷 昌広 東北福祉大学, 健康科学部, 教授 (60372322)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | スポーツ外傷 / パフォーマンス / 睡眠障害 / スクリーンタイム |
Outline of Annual Research Achievements |
研究対象としている東北福祉大学硬式野球部では、選手らのパフォーマンス維持を目的として、年1回(シーズン前、毎年1月~2月)に身体機能測定として、下肢筋力や体幹筋力等を計測しており、昨年度は、パフォーマンス測定として、バッティング速度の測定を実施している。本年度の研究として、投手を除いた野手約50名を対象に、2019年2月に計測した身体機能とパフォーマンス(バッティング速度)について分析を行った。挙上可能なスクワット重量、および、体幹筋力とバッティング速度との関連が示され、スクワット重量が大きいほど、体幹筋力が大きいほど、バッティング速度が大きい、正の相関関係が認められ、第30回臨床スポーツ医学会学術集会にて発表した。また、2020年2月に昨年同様、同大学の硬式野球部に所属する選手(野手)を対象に、身体機能とバッティング速度の測定を行い、現在、昨年度とのデータの比較検討を実施している。また、昨年度の計測項目に股関節筋力を追加して、身体機能とパフォーマンスの関係を検討するとともに、投手において、シーズン前(3月)に実施している紅白戦や練習試合時の投球速度との関係を分析している。 我々は、スクリーンタイムの増加による睡眠障害がスポーツ外傷・障害に影響すると仮設を立てている。睡眠障害による影響は、スポーツ外傷・障害の前に、スポーツ活動におけるパフォーマンスが低下することが予測される。本年度、パフォーマンスに関わる1つの要因としての身体機能の影響が検討できたことにより、今後、睡眠障害の因子を追加することで、パフォーマンスの低下の要因を身体機能の側面、睡眠障害の側面から検討することができると考える。さらに、パフォーマンスの低下から外傷・障害の発生に関する要因分析を追加する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度より、ベースライン作成のために、対象である東北福祉大学硬式野球部選手の外傷・障害調査を実施予定であったが、シーズンがすでに始まりすでに外傷・障害のある選手がいたこと、対象となるチーム代表者への調査依頼が実施できていないため、当初の予定より遅れている。また、外傷・障害調査内容、定義の詳細な検討、選手の睡眠量や質、スクリーンタームの調査も未実施である。現時点で、外傷・障害調査の詳細、睡眠調査、スクリーンタームの調査を進めており、2020年度中に実施予定である。しかし、新型コロナウイルスの影響により、硬式野球部の活動が休止中であり、2020年度の調査の実施が可能であるかどうかは、未定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度、スポーツ外傷・障害調査、および、選手の睡眠調査、スクリーンタイム調査を実施予定であった。しかし、新型コロナウイルスの影響により、対象である硬式野球部の活動が休止となっていること、各大会が中止となっていることにより、今後、活動が再開され、調査が実施できたとしても、活動再開後、6か月程度は、スポーツ外傷・障害の発生率が例年と異なる可能性が高く、その調査結果をベースラインとして設定できるか、検討が必要である。さらに、得られた分析結果の一般化は難しい可能性があり、更なる検討が必要である。 現時点では、次の通り進める予定である。運動再開後にスポーツ外傷・障害の発生が高くなる可能性が予測される。活動休止期間中および、活動再開後の睡眠時間、睡眠の質、スクリーンタイム、トレーニング内容、時間、などを調査し、外傷・障害の発生に関わる要因を睡眠、スクリーンタイムの視点から検討する。通常の活動が再開され1シーズンが経過した後、その時点をベースラインとして、スポーツ外傷・障害、スクリーンタイムおよび睡眠時間・睡眠の質を調査し、得られたデータを横断的に検討する。その後、スクリーンタイムの介入調査を実施していく予定である。
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Causes of Carryover |
スポーツ障害・外傷につながる身体状況を経時的に計測する目的で、体成分分析装置Inbodyを購入する予定であり、次年度使用額として繰り越すこととした。
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Research Products
(4 results)