2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K11450
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
木目 良太郎 東京医科大学, 医学部, 講師 (90366120)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 散乱係数 / 皮下脂肪層 / 近赤外線時間分解分光法 / 前腕掌握運動 / 脂肪ファントム |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の先行研究により、運動時における光強度の変化は散乱ではなく吸収に依存していることが既に分かっていることから、実験開始前に脂肪ファントムを付加して光散乱強度を標準化することで、筋組織酸素濃度の定量的計測が可能になると考えられる。 そこで本研究ではまず「脂肪ファントムの素材の選定」を行った。「培地用寒天」を候補として絞り込み、イントラリポスを添加することで脂肪ファントムを生成した。作成した脂肪ファントムを前腕の皮膚上に貼付し、そのファントム上から近赤外線時間分解分光法(TRS)装置の測定用プローブを装着した後、前腕掌握運動を行った。ところが、運動時の熱産生により脂肪ファントムが崩れてしまい、連続的な計測が不可能になってしまった。脂肪ファントムが崩れないように、イントラリポスの配合や環境温を変えたりしたが、ひび割れは解消出来なかったので、新たな素材を選定し直すこととなった。 次に、温度変化に強い素材として「シリコン」を選定し、脂肪ファントムを制作した。イントラリポスとの撹拌に30分程度の時間が掛かるものの、運動時の計測は問題なく実施することが出来た。 素材も決まり、皮膚上に縦6cm, 横3cmの脂肪ファントムを装着し、その上からTRSの測定用プローブを装着したところ、脂肪ファントム装着前に比べて散乱係数が減少した。脂肪は強力な散乱物質であるにもかかわらず、脂肪ファントムを装着すると散乱係数が減少したため、その原因を追及する作業を行った。その結果、脂肪ファントムの厚さが散乱係数に影響を与えていることを突き止め、TRSの測定用プローブ内に脂肪ファントムを埋入させると、脂肪ファントムの装着により散乱係数が増加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
「研究実績の報告」にも記したが、予想に反して、脂肪ファントムを皮膚上に装着することで散乱係数が減少してしまい、その原因を究明するのに多大な時間を要した。また、実験方法がようやく確立した状況でコロナ禍に入ってしまい、飛沫による感染予防のため「運動」に関する屋内での実験が全面的にストップしてしまい、実験計画が大幅に遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の感染状況も落ち着いてきているので、今後は感染対策に十分注意しながら実験を行う。当初は自転車運動を用いた全身運動時の実験を予定していたが、飛沫感染のリスクが高いので、前腕運動のような局所的な運動を中心に実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の蔓延防止対策のため、ヒトを対象とした実験計画に大幅な遅れが生じてしまった。本年度の計画としては、被験者や実験補助者への謝金、学会発表、論文作成に関する英文校閲費などに使用する予定である。
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