2019 Fiscal Year Research-status Report
Perspective of the comprehensive community sport club in a community sport promotion system
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19K11458
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
行實 鉄平 久留米大学, その他部局等, 准教授 (50449922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 純司 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (90243849)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 地域スポーツ政策 / 歴史的変遷 / 地域スポーツ推進システム / 多主体協働共生 / コミュニティガバナンス / 地域協働体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、総合型地域スポーツクラブ(以下、「総合型クラブ」とする)の「多主体協働共生」に着目して地域スポーツ推進システムとしての総合型クラブの可能性を探究することを目的としている。その研究目的の遂行に向けた2019年度(1年目)は、1)「地域スポーツ推進システム」という理想と地域スポーツの現実のギャップを明らかにすること、2)「多主体協働共生=コミュニティガバナンス」としての総合型クラブの可能性に関する仮説的構成概念モデルを構築することを研究実施計画として掲げた。 その結果、1)に関しては、わが国における地域スポーツ推進政策を「スポーツ振興法」(1961)から「スポーツ基本法」(2011)までの半世紀に渡る歴史的変遷を考察し、「①クラブ育成」「②施設整備」「③指導者養成」といった3つからなる「地域スポーツ推進システム」という理想が実際にはバランスを欠いた状態であるというギャップを明らかにすることができた。(*日本体育学会第70回大会[慶應義塾大学:2019.9.10-12]に参加し口頭発表を行った。)また、2)に関しては、山口県のUクラブ、群馬県のSクラブ、宮崎県のEクラブ群といった3つの事例により総合型クラブが多様な地域組織(地域スポーツ組織以外も含む)との連携を生み出し、地域協働体としての状態(ガバナンス)を醸成し、地域スポーツをはじめとした公(共)的サービスを提供している姿を明らかにすることができた。(*地域社会学会第43回大会[愛知県立大学:2020.5.16-17]エントリー済。)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、「総合型クラブは地域スポーツ推進システムになりうるか!」という問いを設定し、その問いを検証するために、1)「地域スポーツ推進システム」という理想と現実のギャップの明確化、2)「多主体協働共生=コミュイティガバナンス」としての総合型クラブの可能性に関する仮説的構成概念モデルの構築、3) 「多主体協働共生=コミュイティガバナンス」としての総合型クラブのケース分析(類型化モデルの提示)、4)総合型クラブを支える人材の力量にみる「多主体協働共生=コミュニティガバナンス」の持続可能性の展望といった、4つの研究課題を設定している。 1年目(2019年度)は、1)と2)の課題に取り組み、1)の成果は学会(日本体育学会)で発表し、2)は学会(地域社会学会)発表のエントリーができた。しかし、1)に関しては論文化に向けた更なる調査(文献調査)が必要であり、2)に関してはモデル構築に向けた更なる調査(ヒアリング調査と文献調査)が必要と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目(2020年度)は、先に示した、1)~3)の研究課題に取り組むこととなる。まず、1)に関しては、学会発表で専門家評価(指摘)を受けた内容を踏まえ、追加調査(文献調査)を進めることで論文化を目指す。次に、2)に関しては、学会発表を予定していた地域社会学会がコロナ禍で中止となったが、オンラインでの口頭発表の開催が決定されたことから、再度エントリーを行い、専門家評価(指摘)を受ける。その後、必要に応じて追加調査(ヒアリング調査と文献調査)を行い、仮説的モデルの構築(論文化)を目指す。さらに、3)に関しては、総合型クラブにみられる「機能/状態ガバナンス」のパターンを事例追加調査(ヒアリング調査)によって分析を進めることで、その類型化モデルを提示する。なお、対面での調査が厳しい場合は、オンライン(リモート)での環境を構築した上で、調査を進めていく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては、インタビュー時にフィールド現場での作業に必要なPCを計上していたが、当初の申請額から減額での研究実践となった事や質的研究の分析に際し研究分担者を新たに設定(分担金が発生)した事などから、購入を控えたために発生した。 今後の使用計画としては、コロナ禍でのインタビュー調査に際して対面調査が厳しい場合のオンライン(リモート)調査に備え、カメラ搭載PCなどをはじめとした通信機器の環境整備費用にあてることとする。
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Research Products
(1 results)