2020 Fiscal Year Research-status Report
運動物体の捕捉に関する認知・予測特性と運動制御特性の解析
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19K11472
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
竹市 勝 国士舘大学, 政経学部, 教授 (30265962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 健之 高千穂大学, 人間科学部, 教授 (20397095)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 認知特性 / 予測特性 / 運動制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、運動物体に対する認知・予測・運動制御局面の特性について各局面のパフォーマンスを評価し、各局面の特性がどのように捕捉パフォーマンスに関係するのか検討することが目的である。 仮想環境実験では、運動物体(ボール)が板前面を移動する間に板を変色させ、その時のボール位置を板の目盛りで回答する位置認知課題、ボールが板後方を移動する間に板を変色させ、その時の位置を板の目盛りで回答する位置予測課題を実施した。回答位置から認知速度および予測速度を求め分析した。2020年度は、脳性麻痺者と小学生6年生を被験者として実験を行った。 位置認知課題での脳性麻痺者(CP)の認知位置は、実際の位置よりも手前を回答する傾向がみられた。CPの予測位置は、大学生とほぼ同様の傾向で、実際の位置までの距離の半分であった。 小学6年生の実験では、複数のタブレット端末による実験システムを用い、位置認知課題と位置予測課題を実施した。大学生と比較では、認知速度、予測速度ともに有意差はなかったが、認知位置・予測位置の回答では、回答位置のばらつきが大学生より大きい傾向がみられた。これは発育期の特徴なのか、中学生以降の状況についての検討が必要である。 位置予測課題において、実際の位置よりも運動方向手前に回答する現象を報告したが、位置予測課題における最初の10回の練習試行と11回以降の試行におけるエラー量の変化について検討した。試行1-10回(第1ブロック)、11-20回(第2ブロック)、21-30回(第3ブロック)における予測速度を比較した結果、第1ブロックと第2、第3ブロック間に有意差が見られた。試行回数の少ない第1ブロックの予測速度は、第2、第3ブロックに比して実速度に近いが、試行回数の増加に伴い、予測速度が低下するという興味深い結果が得られた。これについては、被験者数を増やして更に検証が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究の遂行に当たっては、実験によるデータ収集と分析が大きなウエイトを占めているため、コロナ禍において、被験者の確保、および実験の実施ができなかったため、データの取得ができなかった。当初計画した実験ができていないため、データ分析が滞っており、進捗状況としては遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
実験に際しては、コロナ感染防止対策を講じた実験環境を構築することとし、前年度予定予定であった実験を順次進めてゆく。実験実施にあたっては、被験者と検者の接触、感染リスクをおさえられるよう実験手順を検討して実施する。
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Causes of Carryover |
全世界にコロナ感染症が拡大したため国際会議や国内学会が中止、またはオンラインになったため、旅費の執行が十分できなかった。 今年度は、実験実施の際、感染防止のための実験環境構築のためにその予算を使用し、実験実施に万全を図る。
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