2021 Fiscal Year Research-status Report
運動物体の捕捉に関する認知・予測特性と運動制御特性の解析
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19K11472
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
竹市 勝 国士舘大学, 政経学部, 教授 (30265962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 健之 高千穂大学, 人間科学部, 教授 (20397095)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 認知特性 / 予測特性 / 運動制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、運動物体に対する認知・予測・運動制御局面の特性について各局面のパフォーマンスを評価し、各局面の特性がどのように捕捉パフォーマンスに関係するのか検討することが目的である。 仮想環境実験では、運動物体(ボール)が板前面を移動する間に板を変色させ、その時のボール位置を板の目盛りで回答する位置認知課題、ボールが板後方を移動する間に板を変色させ、その時の位置を板の目盛りで回答する位置予測課題を実施した。回答位置から認知速度および予測速度を求め分析した。2021年度は、被験者による実験の実施とデータの収集ができなかったため、これまで取得した実験データから、発育発達状況の異なる小学生と大学生における運動物体の認知・予測特性(認知・予測速度、錯覚量)に関する性差、および位置予測課題の試行回数による予測速度の変化に関する性差、そして位置認知課題と位置予測課題を経験した者による3年経過後の運動物体の認知特性と予測特性の加齢変化について検討した。 小学6年生を対象とした予測速度と錯覚量の比較について、予測速度には有意差はなかったが、錯覚量は男子児童の方が女子児童より有意に大きい値を示した。大学生を対象とした予測速度と錯覚量の比較について、予測速度には有意差はなかったが、錯覚量は女子大学生の方が男子大学生より有意に大きい値を示した。 位置予測課題の試行回数による予測速度の変化について検討した。女子大学生よりも男子大学生の方が、物体の運動予測錯覚が試行回数の影響を受ける傾向が見られた。 3名の女性被験者(40歳代、60歳代、70歳代)における3年後の認知予測実験結果から、認知速度について60歳代と70歳代が低下傾向を示し、70歳代で低下が顕著であり、加齢に伴い低下量が大きくなる傾向がみられた。このことから、50歳代から60歳代前半の期間が認知・予測機能低下の分岐点となる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究の遂行に当たっては、実験によるデータ収集と分析が大きなウエイトを占めているため、コロナ禍において、被験者の確保、および実験の実施ができなかったため、データの取得ができなかった。当初計画した実験ができていないため、実験データ分析が滞っており、進捗状況としては遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ感染状況に配慮して、可能な限り感染予防を行いながら被験者の確保、実験の実施を進めデータを収集する。実験実施にあたっては、被験者と検者の接触、感染リスクをおさえられるよう実験手順を検討して実施する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症により実験被検者の確保が困難になったため実験ができなかったので、感染対策を講じながら実験環境の整備、実施による経費を支出する。また学会がオンライン開催となり、当初の学会会場への旅費支出が不要となった。今年度は、学会参加のため旅費としても使用する。
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