2020 Fiscal Year Research-status Report
腸微生物叢と骨格筋マイオスタチン腸筋相関による大腸がん発生機序の解明と予防法開発
Project/Area Number |
19K11484
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
松本 啓志 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (20309553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩谷 昭子 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80275354)
小椋 義俊 久留米大学, 医学部, 教授 (40363585)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 運動 / 糞便移植 / 腸内細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初、マイオスタチンノックアウトマウスを用いた実験系を予定したが、繁殖が非常に難しく(母マウスが子供マウスを食べてしまうため)ノックアウトマウスの実験系を作成するのが困難と判断し、通常マウスを用いた実験系に変更した。高脂肪食誘発肥満マウスにおける運動負荷および糞便移植による大腸腫瘍抑制実験を行った。Balb/cマウスを用いてアゾキシメタン誘発(週1回、6回腹腔内投与、1mg/kg)大腸腫瘍モデルに対して、運動負荷(Ex) 週5回、18m/sec、30分)群、腸内細菌叢移植群(Fecal Microbiota transplantation:FMT) とFMT+Ex群を行った。FMTはレシピエントマウスは移植前2日間抗菌薬を内服後、ドナーマウスから週5回、新鮮便を移植した。ドナーマウスは通常食、通常食+運動、高脂肪食+運動の3群とした。したがってFMT群は、通常食マウス糞便移植群、運動+通常食マウス糞便移植群、運動高脂肪食マウス移植群の3群にわけて検討した。また、FMT+Ex群も上記3群に運動を加え3群にわけて検討をおこなった。マウスは毎週の体重測定、4週ごとの大腸内視鏡検査を用いたポリープ発生、CT解析による内臓・皮下脂肪面積の測定、採血、採便を行った。 結果は、高脂肪食は普通食よりも大腸ポリープ数が増加した。高脂肪食誘発肥満におけるAOM誘発大腸ポリープは糞便移植および糞便移植+運動でポリープ数を有意に抑制された。FMTによるポリープ抑制効果が一番強かったのは運動した普通食マウスの糞便を移植した群、および運動した普通食マウスの糞便を移植した上で運動負荷群であった。しかし、2群で有意な差はなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウス実験は終了しており、現在、組織の炎症性サイトカインおよびマイオカイン発現、糞便や大腸粘膜を用いた細菌叢解析を行うためサンプル準備をすすめている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度に腸内細菌解析は先進ゲノム支援をうけ、解析援助までうけることになった。マウスの採血サンプル、組織サンプルにおけるサイトカイン、マイオカイン発現を検討する。さらに国際学会での発表、論文発表する予定である。
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