2021 Fiscal Year Annual Research Report
腸微生物叢と骨格筋マイオスタチン腸筋相関による大腸がん発生機序の解明と予防法開発
Project/Area Number |
19K11484
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
松本 啓志 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (20309553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩谷 昭子 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80275354)
小椋 義俊 久留米大学, 医学部, 教授 (40363585)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 大腸腫瘍 / 糞便移植 / 肥満 / 短鎖脂肪酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
高脂肪食誘発肥満マウスにおけるアゾキシメタン誘発大腸腫瘍への運動の影響をマイオカイン、腸内細菌叢の観点から検討した。検討1: AOM誘発マウス大腸ポリープに対する食事と運動による影響;食事(普通食ND、高脂肪食HFD)と運動Ex(なし、あり) 食事(普通食、高脂肪食)と運動(なし、あり) 4群間比較を行った。検討2: HFD誘発肥満AOMマウス大腸ポリープに対する糞便移植(FMT)による影響; ND、HFD、FMT(ドナー便ND)、FMT(ND+Ex)、FMT(HFD+Ex) 5群間比較を行った。検討1 EXは、ND,HFDどちらでも大腸ポリープ数が抑制した。(ND 6.5±1.3, ND+Ex 2.8±2.5, p<0.05)(HFD 11.4±1.5, HFD+Ex 5.2±0.8, p<0.01)運動によるポリープ抑制効果は、HFDの方が大きかった。ND+ExはNDと比較して大腸腫瘍内のSPARC発現が優位に高かった。検討2:FMTはHFD誘発肥満におけるAOM誘発大腸ポリープ数を有意に抑制した。FMTによるポリープ抑制効果が一番強かったのは、運動した普通食マウスの糞便を移植した(FMT(ND+Ex))群であった(FMT(ND+Ex) 2.8±2.5)。FMT(ND+Ex)群はHFD単独群と比較して、糞便中のコハク酸、プロピオン酸が有意に減少、酢酸が有意に増加していた。FMT(ND+Ex)群はND単独群と比較して糞便中のwMCAが有意に増加, HDCAは有意に減少していた。FMTによる大腸ポリープ抑制効果は、腸管粘膜バリア強化作用による可能性がある。プロピオン酸増加、ムコール酸による粘液増加作用によるものである。これらの効果に対して、糞便、粘膜関連細菌叢が関与しているのか、現在追加検討中である。
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