2019 Fiscal Year Research-status Report
Research on injury risk prediction of lower limbs using 3D range sensor
Project/Area Number |
19K11487
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
河合 季信 筑波大学, 体育系, 准教授 (50310107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 範久 筑波大学, 体育系, 教授 (10261786)
足立 和隆 筑波大学, 体育系, 准教授 (70221041)
福田 崇 筑波大学, 体育系, 准教授 (30375472)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | コンディショニング / ケガ予防 / 歩行 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,3D測距センサーを用いて日々の歩容データを収集するとともに,コンディショニングデータ等と合わせて検討することで,ケガの発生につながるような身体の変調をつかみ,ハムストリングスの肉離れ等,下肢のケガの発生リスクを予測できるようにすることである. 初年度である2019年度は,計測ルーチンの確立と計測精度の検証,ならびにデータの蓄積を活動目標として研究活動を行った.このうち,計測ルーチンの確立は概ね達成でき,データの蓄積についても今後の活動の検証用としては十分なデータが得られたが,計測精度の検証については実施できなかった. 具体的な実施内容としては,3D測距センサー(マイクロソフト社製 AzureKinect)2台とPCによって構成された計測システム(ニコン社製)を用いて,大学アメリカンフットボール部員40名を対象に,秋から冬期シーズン中におけるトレーニング前後の歩行データを7日間,のべ520試技分取得した.歩行エリアは屋外のグラウンド上に設定された 3x10m とし,歩容が安定している2サイクル分のデータを取得できるようセンサを配置した.大学内の研究倫理審査委員会の指摘および研究対象者の意向により,当初計画していた屋内通路へのセンサ常設ではなく,トレーニング前後に屋外に都度センサを設置して計測を行うことになったため,その対応に研究活動の多くを費やした.その結果,計測準備にはキャリブレーションを含めて5分程度,対象者1人あたり10秒以内で計測できるルーチンが確立できた.合わせて,トレーニング前後にその日のコンディションおよびトレーニング負荷量(セッションRPE)を聞き取りによって取得する流れも確立できた. 一方,計測条件の変更などにより,歩行動作の分析には課題があるため,研究分担者(足立)を中心に,プログラムの修正を行っている.2年目以降に精度検証を行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大学内の研究倫理審査を経るのに想定外に時間がかかってしまったこと,その結果,当初計画していた室内での常設ではなく屋外で都度キャリブレーションを行うという計測方法へと変更したことなどから,センサーの設置とキャリブレーションを短時間で行う方法を新たに検討したりすることで,計測の開始が11月にずれ込んでしまったことが第一の要因である.この計測方法変更には,研究対象者の意向も合わせて検討したことによるものである. 次に,計測条件の変更等により,3Dセンサーで取得した点群データから身体各部の座標(関節の位置など)を算出するプログラムが満足に使えず,歩行動作のパラメータが算出できていない.加えて,計測システムのメーカーが社会環境変化によって組織変更を行ったため,プログラムの改変ができなくなるということも重なり,その対応策の検討に時間を要してしまったのが第二の要因である. さらに,研究対象者たちが所属する運動部の活動期間(シーズンオフ)と,その後の新型コロナウイルス感染症拡大による活動停止などにより,年明け以降計測が行えておらず,当初計画より計測データ数が少ない結果となっている. これらは,【今後の研究の推進方策】で述べるように,対応策を講じているので,2020年度の活動に支障はない見込みである.
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Strategy for Future Research Activity |
歩行動作のパラメータ算出プログラムについては,過去に同種のプログラムを開発した実績のある研究分担者(足立)が中心となって,対応策を進めている.これまでに対象者から取得した点群データはそのまま利用できるので,新しいプログラムを使って歩容データの算出とコンディショニングデータ,ケガの発生データ間の関係について分析を行う. また,新しいプログラムが安定的に使用できるようになった段階で,VICONとの比較による精度検証を実施する.
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Causes of Carryover |
当該年度,研究の遅れにより,使用する計測システムの精度検証が実施できなかった.ここで計上していた謝金および消耗品等は,2020年度に実施する精度検証で使用する. また,情報収集を目的として海外の学会およびカンファレンスに参加する計画だったが,新型コロナウイルス感染症拡大の関係で当該学会.カンファレンスが中止となったため,その旅費が使用せず残った.これらは,プログラムの改変にかかる費用として2020年度に使用する計画である.
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