2020 Fiscal Year Research-status Report
内因性カンナビノイドが増加する運動条件の探索 -ポジティブ感情を引き出す運動-
Project/Area Number |
19K11494
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
飛奈 卓郎 長崎県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (60509678)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 乳酸閾値強度 / 運動習慣 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は運動習慣のある者でも乳酸閾値(LT)強度の運動で内因性カンナビノイドの血中濃度が増加するのか、同一運動強度でも運動様式が異なることで内因性カンナビノイドの濃度や主観的運動強度(RPE)やきつさに差が生じるのかを調査した。対象者は運動習慣のある成人女性で自転車エルゴメーターを用いてLT強度で40分の運動をしてもらった。運動前後で採血を行い、RPE、ポジティブ感情・ネガティブ感情と主観的な息苦しさや痛みを評価した。本研究では内因性カンナビノイドの2-arachidonoylglycerol(2-AG)とその異性体である1-arachidonoylglycerol (1-AG)の合計値(2-AG+1-AG)を体内での2-AG濃度として評価した。自転車運動の前後で2-AG+1-AG濃度は有意に増加し、2-AG+1-AGの変化量とRPE、並びに息苦しさの変化量に負の相関を認めた。また全国レベルの大学女子サッカー選手を対象に、単独での乳酸閾値強度の自転車運動と、心拍数でコントロールした同強度でのフットサルゲームで2-AG+1-AG、RPEと運動のきつさの変化を比較した。運動前後の2-AG+1-AG濃度は単独自転車運動で有意な増加を示したが、フットサルでは有意差を認めず(p=0.08)、また運動様式間でも有意差を認めなかった。単独自転車運動では2-AG+1-AGの変化量とRPEの変化量に負の相関関係を認めたものの、フットサルではその関係が認められなかった。 本年度の結果は、女性アスリートがいつものチームメートと慣れ親しんだ運動を実施した場合という限定的なものであるが、単独運動での運動のきつさの感じ方は内因性カンナビノイドの影響する可能性がある一方で、チームメートとの運動は内因性カンナビノイドの影響とは独立して運動のきつさを和らげる効果がある可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度はトレーニング研究を開始する予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大予防の観点から継続した学内でのトレーニングを遂行することが難しい状況になった。研究課題である内因性カンナビノイド の血中濃度が増加する運動条件の調査を進めるため、運動習慣のある者でも乳酸閾値強度の運動によって内因性カンナビノイドが増加するかを調査した。また運動条件として、その様式に注目した研究も実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の計画であった内因性カンナビノイド の血中濃度が増加する強度と時間の関係をさらに対象者を増やして研究し、より信頼性の高い情報を発信する。またトレーニング研究の実施が困難な場合(トレーニング期間の途中での施設の使用の停止等)に備えて、強度が同一で様式が異なる運動での内因性カンナビノイド の変化や、運動習慣の有無による比較も計画している。
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Causes of Carryover |
内因性カンナビノイド の分析に必要な消耗品で、特に高額である安定同位体や分析用カラムが最終年度に追加で必要になった場合に備えて予算を持ち越した。次年度の消耗品の購入に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)