2019 Fiscal Year Research-status Report
無意識に処理される視覚情報によって生じる生体反応の生理学的解析とスポーツへの応用
Project/Area Number |
19K11496
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
地神 裕史 国士舘大学, 理工学部, 准教授 (30468970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 匡史 国士舘大学, 理工学部, 教授 (00320101)
土居 裕和 国士舘大学, 理工学部, 准教授 (40437827)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 視覚認知 / 筋力 / パフォーマンス分析 / 脳活動 / 自律神経 / ホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、無意識に行われている視覚情報処理によって生じる生理的反応と、これらの変化によって引き起こされる身体パフォーマンスを数値化することを目的に研究を行っている。対象は一般人から水泳やゴルフなどのアスリートとし、競技レベルや個人の特性などによる影響の受けやすさを検証する。最終的にこれらの結果をスポーツ現場でのトレーニングに還元し、競技力の向上につなげる。 本年度は初年度であり、研究手法の確立や機器の選定を中心に研究を行った。本研究では、視覚刺激によって筋力などの身体機能の変化と合わせて、視覚認知やそれに伴う生体反応を数値化することを目的としている。よって、様々な計測機器を作成・購入し、最適な実験環境を検証した。脳波の計測は運動に伴うノイズをいかに除去し、解析を進めていくべきか試行錯誤が続いている。 なお、本年度は水泳選手を対象に、ゴーグルの色の違いが、筋力発揮に与える影響を検証し、日本基礎理学療法学会にて学会発表を行った。様々な先行研究により、赤色は闘争心を引き出し、テストステロンなどのホルモンが分泌されるために、スポーツパフォーマンスも高まるという報告がなされているが、本研究では赤色のゴーグルによって一様に筋力発揮やパフォーマンス向上を引き起こすという結果は得られなかった。一方、対象者によっては、特定の色のゴーグルによって筋力発揮が他の色と異なるという結果も得られた。その要因に関して、脳活動やホルモン、自律神経などとの関係を丁寧に検証しながら要因を明らかにしていく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は研究機材や環境の整備、予備実験と実験プロトコルの作成を中心に研究を行った。対象者に水泳選手も含んでいたために、水中環境下でのパフォーマンス分析に関する予備的な研究も行い、筋電図や3次元動作解析器など使用機器の確認や計測方法の検証は終了した。また、その他の競技における身体機能やパフォーマンス分析のための機器と、脳活動などの生体反応に関する機器の選定や環境の整備に関しても検証を続けているが、脳波の計測はチャンネル数の違いが結果に与える影響や、運動に伴うノイズをいかに除去し、解析を進めていくべきか、現在も試行錯誤が続いている。 初年度の成果として、水泳選手を対象にゴーグルの色の違いが、筋力発揮に与える影響を検証し、日本基礎理学療法学会にて学会発表を行い、今後の研究に有益ないくつかの知見が得られた。 よって概ね当初の予定通り、順調に研究が進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に行った研究により、赤色のゴーグルによって一様に筋力発揮やパフォーマンス向上を引き起こすという結果は得られなかった。この結果は赤色によってテストステロンが上昇することで、パフォーマンスが向上する、といった先行研究とは異なる結果であった。一方、対象者によっては、特定の色のゴーグルによって筋力発揮が他の色と異なるという結果も得られたことから、その要因を脳活動やホルモン、自律神経などとの関係を検証しながら明らかにしていく必要がある。 COVID-19の影響により研究活動も思うように進められない状況が続いており、予定通りに研究が遂行できるか不透明ではあるが、感染の状況に応じて適宜進めていきたい。
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Causes of Carryover |
本年度、使用する予定であった機器を購入する前に、申請者の所属する大学が所有している機材でいくつか予備実験を行った。一部は新規購入しなくても使用することができるめどが立ったが、生体反応に関する機器は購入が必要な状況で、購入する機材を選定している。よって次年度使用額が増えている。
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Research Products
(5 results)