2021 Fiscal Year Research-status Report
Female-specific risk factors for ankle ligament injuries among athletes
Project/Area Number |
19K11497
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
深野 真子 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (00634362)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 女性スポーツ / 足関節 / 内反捻挫 / リラキシン / 関節弛緩性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、女性の発生率が高い足関節捻挫を取り上げ、足関節捻挫発症リスクである関節弛緩性について、女性特有の要因を明らかにすることを目的として実施している。2021年度は、足関節内反捻挫について複数回の受傷経験のある女性アスリートは黄体期のリラキシン濃度が高値を示すか否か、リラキシン濃度が高いアスリートは黄体期に関節弛緩性が高まるかを明らかにするための実験を前年度から継続して実施し、被験者数を増やした。先行する膝関節の研究と同様に、女性アスリートの中に黄体期の血清リラキシン濃度が高くなる者がいることが確認された。しかしながらその出現頻度は高くなく、おおよそ10%前後に収束することが予測された。また、黄体期の血清リラキシン濃度が高い者の足関節弛緩性は、月経周期中の変動が大きい傾向があることが確認された。 先行研究において通常リラキシン濃度の測定には血液検査が用いられる。しかしながら血液検査は侵襲的な検査であり、またその手順も簡便とは言い難い。そのため、より低侵襲で簡便な検査方法を確立することを目指し、尿検査にて代替可能かの検討も同時に行い、尿に排出されるリラキシンの分析を行った。尿サンプルからもリラキシンの検出は技術上可能でることが分かったが、血清リラキシンの代替指標となりえるか否かについては、今後の検討課題となった。 2021年度実施予定であった捻挫発生率とリラキシン濃度の関連を検討するためのシーズンを通じた前向き調査については、新型コロナウィルス感染拡大による各種スポーツ活動の活動制限等により正確なデータを得られない可能性が高かったため、今年度の実施を見送った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度中に新たな被験者を対象として実験を実施し、血液検査・尿検査・関節弛緩性の測定および各種質問紙調査を終了した。そのため、おおむね順調に進展していると考えられる。 ただし、捻挫発生率とリラキシン濃度の関連を検討するためのシーズンを通じての前向き調査については、新型コロナウィルス感染拡大による各種スポーツ活動の活動制限等により正確なデータを得られない可能性が高かったため、今年度の実施を見送ったた。そのため、計画の完全な実施までは至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度・21年度に取得した実験データの分析を主に行う。また、尿検査の結果を検討し、血液検査の代替として利用可能と判断できれば、さらに被験者数を拡大してデータ取得を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大により、当初実施予定であった調査の一部について実施を見送ったため、当初計上していた予算を使用しなかった。感染状況が落ち着き次第未実施分の調査を行い、予算執行する予定である。
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