2022 Fiscal Year Research-status Report
Female-specific risk factors for ankle ligament injuries among athletes
Project/Area Number |
19K11497
|
Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
深野 真子 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (00634362)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 女性スポーツ / 足関節 / 内反捻挫 / ホルモン / リラキシン / 関節弛緩性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、女性の発生率が高いとされる足関節捻挫を取り上げ、足関節捻挫発症リスクである関節弛緩性について女性特有の要因を明らかにすることを目的として実施している。2022年度は、リラキシン濃度が高いアスリートは黄体期に関節弛緩性が高まるかを明らかにするための実験を2020年度から継続して実施した。また、リラキシン濃度の測定には通常血液検査が用いられるが、より低侵襲で簡便な尿検査にて尿中のリラキシン濃度を測定し、各測定項目との関連を検討した。 今年度特に注目すべき結果は、以下の二点である。第一に、黄体期の尿中のリラキシン濃度およびクレアチニン補正した値が高い女性アスリートにおいて月経期および黄体期の足関節内外反方向の弛緩性が高い傾向が示された。第二に、月経周期の各期の尿中リラキシン濃度が高い女性アスリートは足関節内反捻挫の受傷回数が多い傾向がみられた。これらの点から、尿中のリラキシン濃度と足関節弛緩性および足関節捻挫の発生に何らかの関連があることが示唆され、女性アスリートにおける足関節捻挫とホルモンとの関連を検討していくうえで尿中リラキシン利用の有用性を検討する余地があると考えられた。 捻挫発生率とリラキシン濃度の関連を検討するためのシーズンを通じての前向き調査については、新型コロナウィルス感染拡大による各種スポーツ活動の活動制限等により正確なデータを得られない可能性が高かったため、今年度も実施を見送った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度までに合計18名の女性アスリートを対象として実験を実施し、血液検査・尿検査・関節弛緩性の測定および各種質問紙調査を終了した。概ね順調に進行している。ただし、新型コロナウィルス感染拡大により、実施を見合わせた調査もあり、計画を一部変更して実施しているため、おおむね順調に進展しているとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度までに取得した実験データの分析を主に行う。特に各測定項目と質問紙調査によって得られた回答との関連検討を重点的に実施する。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大により、当初実施予定であった調査の一部について実施を見送ったため、当初計上していた予算を使用しなかった。見送った調査で使用予定であった予算は、他の実験の被験者数を増やして検討するために使用する予定である。
|