2019 Fiscal Year Research-status Report
research for head and neck injuries in rugby
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19K11498
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
川崎 隆之 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20445521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高澤 祐治 順天堂大学, 医学部, 教授 (00407280)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ラグビー / 外傷予防 / タックル / 脳振盪 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラグビー競技は頭頚部外傷の頻度が多いスポーツであり、疫学調査によってボールを持って進行する選手を止める(=タックルする)行為がこうした外傷の主な発生機序であることが明らかになっている。近年、タックルされる選手の進行方向を頭部で遮るような肢位のタックル(一般的に逆ヘッドタックルと呼称)は、頭頚部外傷の発生頻度が極めて高いことが示された。そこで、2019年度の調査はこのようなハイリスクのタックルがなぜ発生するかを様々な観点から検証することとし、その要因を推定することに着手した。 対象は2018年度に行われた国内成人トップレベルの20試合,同大学リーグの20試合、全国高校選手権20試合、全60試合(20試合x3カテゴリー)で生じた全タックルとした。映像解析アプリケーションと専属スタッフを用いて全てのタックルの種類と候補因子(試合時間、出場時間、ポジション、発生時の点差、最終点差、競技レベル、タックルの高さ、フェーズ数、起点となる形態、ディフェンスのミスマッチなど)、外傷発生の有無についてデータ入力操作が完了している。現在までのところ、抽出された約14,000タックルのデータ入力ミスなどの検証が完了し、その特性を検証している段階である。主要変数の相関、主成分分析、多変量解析を行った結果、逆ヘッドタックルと関係の強い因子を複数挙げることができた。今後は最適な解析方法や結果の解釈を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
試合映像よりタックルシーンのみを抽出し、14000ケースを超えるタックルのデータベースが作成された。全てのタックルについて、データ入力のエラーや外れ値の検証が完了した。またデータ分布や要因間の単変量解析といった予備解析においてある一定の傾向がみられた。以上より、今後危険なタックルや外傷発生をアウトカムとした解析では有意な因子が検出できる可能性があると考えられ、当初の研究目的に適うものと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度には、このデータベースを元にリスクの高いタックルの発生要因、外傷発生要因を探索する予定である。解析方法や結果の提示方法や解釈については学内の研究推進部門とともに統計学的検証を行う。年度後半の目標は学会発表や英雑誌への投稿までとなる。
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Causes of Carryover |
委託した業者のデータ入力操作が円滑に進んだため、当該年度の旅費や人件費・謝金への支出が不要となった。 また結果の一部を学会報告する予定であったが、本研究以外の理由により次年度にまとめて行うこととした。 以上より、差額分は次年度使用とした。
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