2019 Fiscal Year Research-status Report
柔道選手における皮膚真菌症の罹患状況と感染拡大の背景因子の究明
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19K11499
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
廣瀬 伸良 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (50189883)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | トンスランス頭部陽性 / 白癬様既往歴 |
Outline of Annual Research Achievements |
東京学生柔道連盟傘下の登録柔道選手(検査希望者:約40大学1000名)に対して、頭部のブラシ培養検査を実施する。頭部ブラシ培養検査は、皮膚真菌症専門医によるトンスランス菌の頭部保菌を同定し、保菌者においてはその後の治療啓発指導をおこなう。頭部保菌者は最寄りの医療施設において治療を受け、3か月後の頭部ブラシ培養再検査において本感染症の治癒状況や再感染状況を確認させ、フィードバックを行う。また、並行して①柔道経歴、②高校時代の居住環境、③大学での居住環境、④大学での練習環境、⑤本感染症に関する知識、⑤本感染症に関する予防の取り組み(高校での環境時代・大学での環境)などを質問紙調査により調査した。2019検査と質問紙調査により以下のことが明らかになった。1)2019頭部陽性率は本調査を開始した2008年度から最も低い罹患率となった。(2.83%)2)男子の81%、女子の52%が過去の白癬様既往歴があった。3)男子頭部陽性者の63%が1年生である。4)男子頭部陽性者の95%が過去の白癬様既往歴があった。5)治療ガイドラインに沿った治療後には陽性者全員が「陰性」となった。これらの結果より、高校時代の本感染症に関わる知識や予防方策への取り組み、指導者の指導等に、大学での環境と差異がある可能性が示唆された。2020年度においては例年の検査及び調査内容に加えて、高校生時代と大学生での本感染症に対する環境や対応を調査する質問紙調査を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査対象者が所属する東京学生柔道連盟の協力により、調査遂行は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2019調査より、高校生柔道選手のトンスランス感染症への取り組み環境が充分でない可能性が示唆された。 それにより、2020検査および調査によって両年代における取組の実施調査をおこなう必要性が考えられ、質問紙項目を検討する。
本調査は例年、4月に実施していたが、本年は新型コロナウィルス感染症の蔓延により4月実施を延期している。大学柔道部が活動を始める9月から10月に実施したい。
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Causes of Carryover |
トンスランス感染症啓発と治療および予防方策のガイドライン作成と調査内容をパンフレットにする予定であったが、調査内容の検討が遅れたために使用できなかった。 上記パンフレット作成を2020年度の使用計画に盛り込みたい。
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