2019 Fiscal Year Research-status Report
若齢女性の運動・トレーニングによる体型変化とシステミック効果
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19K11502
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 一茂 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00451849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武本 歩未 日本女子大学, 家政学部, 助教 (70631993)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 運動習慣 / 人体形状 / 相同モデル / 生体電気インピーダンス / 超音波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、運動やトレーニングが若齢女性の体型、体組成および体力以外の項目に及ぼす効果を明らかにすることを目的としている。2019年度は運動習慣の有無による体型や体組成の違いを中心に検討した。現在までに分析が終了している体型の比較結果について以下のとおり報告する。 被検者は若齢女性27名で、このうち運動習慣有り群(週あたり8時間以上の運動を行っている者)が18名、無し群が9名であった。両群の身長と体重に統計学的に有意な差は認められなかったが、運動習慣有り群は無し群を平均身長で約1cm上回り、平均体重で1.7kg下回った。体型の計測にはマルチン式人体計測法および三次元計測法を用いた。三次元計測法によって取得した人体形状データは、相同モデル支援ソフトHBM-Rugleを用いて相同モデル化した。 人体寸法データの比較においては、運動習慣有り群の乳頭位胸囲、胴囲、腕付根囲が無し群よりも有意に低値であった。他の部位では有意な差が認められなかった。三次元計測法によって取得された人体形状データに主成分分析を適用し、運動習慣有り群と無し群の平均形状(主成分得点の標準偏差ゼロ)を比較したところ、運動習慣有り群は無し群に比べて周径(特に乳頭位胸囲と胴囲)が小さいことに加え、臀部(特に臀突点から臀溝、大腿近位部にかけて)の厚みが小さいことがわかった。 以上のことから、身長と体重が同程度である若齢女性の比較において、1)運動習慣は主に周径の増大ではなく減少をもたらすこと、2)周径の減少は全身で一様に起こるのではなく、部位によって程度の差があること、またその結果として、3)体型(三次元形状)にも違いが生じることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点で当初予定していたほどのデータ(サンプル数)は集められていないものの、運動習慣の有無によって体型が異なることを定量的かつ統計学的に示すことはできたため、「おおむね順調に進展している」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
運動習慣の有無や身体活動量の大小による体型と体組成の違いについてはさらにサンプル数を増やした上でより包括的かつ詳細な検討を行う。また、今後トレーニング実験を行う計画があるため、その測定項目や測定プロトコルについても検討を開始する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:主に下記の2点である。 1) 超音波骨密度測定装置が予想していたよりも低価格であったことから、別経費での購入が可能となった。 2) 被検者の数が目標に達しておらず、謝金(被検者、実験補助者)や消耗品代が計上していたよりも少額であった。 使用計画:今年度以降に予定しているトレーニング実験では多額の謝金、消耗品代を必要とするため、主にこれらに充当する。
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