2020 Fiscal Year Research-status Report
若齢女性の運動・トレーニングによる体型変化とシステミック効果
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19K11502
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 一茂 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00451849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武本 歩未 日本女子大学, 家政学部, 助教 (70631993)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 若齢女性 / 体脂肪率 / 筋厚 / 体水分量 / 身体活動量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、運動やトレーニングが若齢女性の体型、体組成および体力以外の項目に及ぼす効果を明らかにすることを目的としている。2020年度は新型コロナウイルス感染症の拡大により、予定していた測定や実験を実施できなかったため、過去に収集したデータから身体活動水準と体組成、体型の関係について検討した。その方法と現在までに分析が終了している結果について以下のとおり報告する。 健康な若齢女性43名(平均BMI = 20.0)が非利き腕の手首に1週間、活動量計(GT9X Link、Actigraph社)を着用し、日常生活を過ごした。また、その前後の期間において、体型、体組成、ボディイメージなどを測定・評価した。 活動量計のデータから、各参加者が中等度以上の身体活動を行なっていた時間(MPA)、軽度の身体活動を行なっていた時間(LPA)、座っていた/横になっていた時間(SPA)の割合について解析ソフト(ActiLife 6, ActiGraph社)に組み込まれたTroiano Adultのアルゴリズム(Troiano et al. 2008)を用いて1分単位で推定した。それぞれの時間的割合と、体型、体組成、ボディイメージなどとの関連性を統計学的に検討した。 その結果、乳頭位胸囲と胴囲においてはSPAとの間に有意な正の相関関係、MPAとの間に有意な負の相関関係が認められた。体重や体脂肪率においても同様の傾向は観察されたものの、有意な相関関係は認められなかった。また、下肢の体水分量に占める細胞外液量の割合においてはSPAとの間に有意な正の相関関係が認められた一方、MPAとの間には有意な相関関係が認められなかった。 以上のことから、健康で肥満ではない(どちらかというと痩せ傾向の)女性においても、低身体活動量は胸部と胴部のサイズを増加させ、脚のむくみ(細胞外液量の増大)をもたらすことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大により、予定していた測定およびトレーニング実験を実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当面は横断研究(運動習慣および身体活動量が体型や体組成に及ぼす影響)のデータを出来る限り増やすことを目標とする。トレーニング実験については新型コロナウイルス感染症の状況を注視しつつ、一部自宅でも実施できるような運動プログラムに置き換えられないか検討している。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:新型コロナウイルス感染症の拡大により、予定していた測定や実験が一切できなかったため。また、参加を予定していた学会大会がオンライン方式に変更されるなど、旅費が発生しなかったため。 使用計画:当初の予定通り、測定や実験のための謝金や消耗品代、情報収集・成果発表のための旅費として使用する。
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