2021 Fiscal Year Annual Research Report
若齢女性の運動・トレーニングによる体型変化とシステミック効果
Project/Area Number |
19K11502
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 一茂 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00451849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武本 歩未 日本女子大学, 家政学部, 助教 (70631993)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 若齢女性 / 体組成 / 筋厚 / 体水分量 / 身体活動量 / 生体電気インピーダンス法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、運動やトレーニングが若齢女性の体型、体組成および体力以外の項目に及ぼす効果を明らかにすることを目的としている。 2021年度は、前年度に報告した身体活動水準と下肢の細胞外液比(下肢の体水分量に占める細胞外液量の割合)の関係について、サンプルサイズを大幅に増やして検討した。対象は健康な若齢女性114名であり、全ての対象者が非利き腕の手首に1週間、活動量計(GT9X Link、Actigraph社)を着用し、日常生活を過ごした。その前後の期間において、体型、体組成、ボディイメージなどを測定・評価した。前年度に身体活動水準との関連性が認められた下肢の細胞外液比を目的変数とした重回帰分析を行ったところ、座位行動時間が長く、大腿前面の筋厚が小さく、BMIが低いほど、下肢の細胞外液比が高いことが明らかとなった。 一方、上記研究に参加した若齢女性のうち15名を対象として、12週間の自体重筋力トレーニングによる体型、体組成、ボディイメージの変化についても検討した。その結果、筋力トレーニングによりBMIと大腿前面の筋厚は有意に増加し、下肢の細胞外液比は減少傾向を示した(トレーニング期の終盤に新型コロナウイルス感染症に罹患し、トレーニング後測定が大幅に遅れた1名を除くと、細胞外液比も有意に減少していた)。 近年の研究から、下肢の細胞外液比は脚のむくみ(浮腫み)の指標となることに加え、高齢期における筋の質的変化(断面積あたりの筋力の低下)にも関連していることが示唆されている。したがって、本研究の結果は1)若齢女性の中でも筋の質には個人差があり、それは運動習慣や生活習慣とも関連していること、2)筋量を増加させるようなトレーニングを行うと、筋の質も改善できること、を示唆している。 新型コロナウイルス感染症の影響により実験の実施が大幅に遅れたため、他の項目については現在解析中である。
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