2022 Fiscal Year Annual Research Report
競泳キックスタートにおける利き脚の前後配置の提案,効果検証
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19K11505
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
水藤 弘吏 三重大学, 教育学部, 准教授 (10513145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾関 一将 大阪体育大学, 体育学部, 准教授 (90535113)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 水泳 / スタート姿勢 / 利き脚 / 動作分析 / 脚筋力 / 脚筋パワー / 足の組み合わせ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では競泳キックスタートのスタートパフォーマンス向上を目指し,キックスタート姿勢を構える際の左右脚の前後配置について,脚の筋力や筋パワーといった観点から検証した. 競泳短距離種目では競技記録の向上に対して,スタートの影響が大きいため,スタートパフォーマンスの改善が競技記録向上に必須といえる.競泳ではバックプレート付きのスタート台が国内外の主要な大会で採用されており,バックプレートを用いたスタートをキックスタートと呼んでいる.キックスタートでは左右脚を前後に開いた状態でスタート姿勢を構えるものの,前後へ開く左右脚の配置について多くの選手が根拠なく決めているのが現状である.そこで本研究では,脚の筋力や筋パワーから左右脚それぞれの特性を判定し,これまで不明確であったキックスタート姿勢の脚の前後配置について検討することを目的とした. 2021年度では脚筋力が大きい脚を前方,あるいは後方に配置することでスタートパフォーマンスへの影響を検討した結果,即時的な介入ではあるものの,脚筋力が大きい脚を前方に配置することで跳び出し速度および跳び出し水平速度が有意に高い値を示すことを明らかにした.2022年度では10日間という短期間ではあるものの,逆の脚配置でのスタート練習を実施させた上で脚筋パワーの大きい脚を前後どちらに配置すべきかについて検討した.その結果,脚筋パワーの大きい脚を前方,あるいは後方に配置したスタート姿勢において跳び出し速度・水平速度に有意な差が認められなかった.ただし,本研究の介入によって3名の被験者では通常と異なる逆配置でのスタート姿勢において跳び出し速度と水平速度が大きく,15m通過時間が短くなっていたことから,普段から行っているスタート姿勢が必ずしも最適ではない可能性が示唆された.今後も引き続き,脚の筋特性を考慮し,個別最適なキックスタート姿勢を明らかにしたい.
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