2020 Fiscal Year Research-status Report
女性アスリートの貧血予防を目指した食事支援アプリの開発:ヘプシジンに注目して
Project/Area Number |
19K11512
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
藤林 真美 摂南大学, 農学部, 教授 (40599396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長 (40335443)
二連木 晋輔 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究員 (70741156)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ヘプシジン / 女性アスリート / 炎症 / 貧血 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はヒトを対象とした研究で、対象者の安心安全を最優先している。2020年度は、新型コロナウィルス感染症拡大防止を鑑み、研究を中断せざるを得ない状況が続いた。 他方、本研究において着目しているヘプシジンに関する基礎検討として、男子陸上選手を対象に実施した実験結果について、詳細な検討を行った。男子陸上選手22名の血液検体から、ヘプシジン値および脂肪酸値、脂質メディエーターを定量し、それらの関連について検討した。対象者の専門種目により、短距離群(N=13)と長距離群(N=9)に区分して解析した。その結果、短距離群・長距離群いずれもヘプシジン値と多価不飽和脂肪酸であるアラキドン酸、エイコサペンタエン酸値が有意に正相関していた。さらに抗炎症性脂質メディエーターであるプロスタグランジン値、エイコサノイド値は、長距離群のみ有意な正相関を示した。脂質は、生体におけるエネルギー代謝や脂肪膜成分として貢献するほか、様々な生理活性をもつメディエーターとして機能している。一方で鉄代謝の中心的役割を担っているヘプシジンは、鉄過剰状態のほか、運動トレーニングによる筋損傷などによっても産生が亢進することが明らかになっている。本予備研究より得られた運動特性によりヘプシジンと抗炎症性脂質メディエーターとの関係性が異なる結果は、本研究実施に向けて示唆に富むものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究はヒトを対象とした研究である。2020年度は、新型コロナウィルス感染症拡大防止を鑑み研究対象者の安心安全を最優先して、研究を中断せざるを得ない状況が続いた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後新型コロナウィルス感染症が収束に向かい、研究対象者の所属大学における新型コロナウィルス感染症に関する制限の緩和、さらに研究対象者が平常通りのスポーツ活動を再開した後に、再度インフォームドコンセントを行う。文書と口頭により丁寧な説明を行い、同意される方に対して研究を再開する計画を立てている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症に関して研究対象者の感染リスクを避けること、安心安全を守ることを最優先し、研究を実施することができなかったため。 次年度の仕様計画については、今後の研究の推進方策に記したとおり、新型コロナウィルス感染症が収束に向かった後、当初計画に沿って再開する。
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