2022 Fiscal Year Research-status Report
女性アスリートの貧血予防を目指した食事支援アプリの開発:ヘプシジンに注目して
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19K11512
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
藤林 真美 摂南大学, 農学部, 教授 (40599396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長 (40335443)
二連木 晋輔 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究員 (70741156)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ヘプシジン / 女性アスリート / 貧血 / フェリチン |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は新型コロナウィルス感染症拡大防止のため遅延していたデータ取得に取り組んだ。 スポーツ系課外活動団体に所属する三大学の女子学生(アスリート群:AT.n=28)および日ごろ運動習慣のない一般女子学生(コントロール群:CO. n=23)を対象として,測定を行った。測定項目は,血中の貧血関連因子および脂肪酸の分析,体組成測定,食事調査,月経調査であった。まずは,2021年度に取得させていただいたアスリート(n=37)における結果と併せて解析を行った。AT群とCO群の2群比較を行った結果,ヘモグロビン値(AT群13.64±0.83 vs CON群13.27±0.85, p=0.077),MCHC(AT群32.39±0.82 vs CON群31.98±0.77, p=0.041),フェリチン値(AT群31.11±21.72 vs CON群25.35±21.81 p=0.278)などに有意差を認めた。一方でヘプシジンと炎症との関係性を調べるため,全被験者のヘプシジン値と好中球/リンパ球比(NLR)および好中球/単球比(NMR)との相関を解析したところ,NMRがヘプシジン値と正相関を認めた(r=0.354, p=0.003)。さらにAT群とCO群に区分して,ヘプシジン値とNMRについて同様の解析をした結果,その傾向はCO群で強かった(AT群r=0.258, p=0.080, CON群r=0.581, p=0.004)。そしてフェリチンを指標(フェリチン値 <30)とした鉄欠乏について検討した。ヘモグロビンとヘプシジンそれぞれROC曲線を描くと,AUCはヘモグロビンで0.596,ヘプシジンでは0.813であった。この結果から,鉄欠乏はヘモグロビン値だけで予測できない可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究はヒトを対象とする研究であり,新型コロナウィルス感染症拡大防止のため2020年度および2021年度にはほぼ研究を遂行することができなかったが,2022年度は出来る限りの対策を講じたうえで研究を再開することができた。 得られた結果については「実績の概要」に記載のとおりである。2022年度はデータの取得に主眼を置いたため,学会や論文による結果の公表はできなかったが,2023年度以後論文執筆も行う予定である。 また本研究は2023年度への延長手続きをさせていただき,当初計画のオメガ3脂肪酸を含むサプリメントの介入研究準備を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
オメガ3脂肪酸含有サプリメントを,AT群およびCO群に摂取してもらう介入研究を進める。2022年度までに得られた結果により,日ごろ厳しいトレーニングを継続しているアスリートのみならず運動習慣のない一般学生いずれもフェリチン値が低い傾向にあることが明らかとなった。またヘプシジンと炎症との関連については,アスリートと運動習慣のない人々で異なる様相を示した。今後は食事調査および月経調査結果も含め,ヘプシジンについて詳細な探求を継続する予定である。研究協力者はすでに決定しているため,計画通り粛々と研究を継続する。 最終的には,使い勝手がよく汎用性の高いアプリ開発にこぎつけたいと考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症対策のため研究が遅延していたため。2023年度は遅延していた研究を着実に実施する計画を立て,この計画に沿って進行している。
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