2020 Fiscal Year Research-status Report
ビタミンD不足はサルコペニア進行の増悪因子なのか?
Project/Area Number |
19K11526
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
柿木 亮 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 非常勤助教 (70614931)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ビタミンD / 筋力低下 / サルコペニア |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢により骨格筋の質・量の低下が生じる。これをサルコペニアと呼ぶ。近年、ビタミンDの不足が筋力と関連することが観察研究より示されている。本研究の目的は、ビタミンDに着目し、その不足がサルコペニアの増悪因子となるのか否かを検証することである。サルコペニアの予防・改善を図るために、サルコペニアに影響を与える因子を検討することは、超高齢社会を迎える我が国にとって重要な課題であると考えられる。 本年度は、昨年度に引き続き、若齢マウスを対象にビタミンD不足によってマウスの筋張力低下やその原因を探る研究を計画していた。筋張力は、マウスより骨格筋を摘出し、生体内を模した環境下で測定していくが、この測定系は確立している。また、若齢動物に対する運動の効果も合わせて検討していく実験を計画し、研究全体の効率を上げようと考えていた。運動のプロトコルおよび操作についても検討し、決定できていた。しかしながら、本年度は、昨年度よりも新型コロナウイルス感染症の感染が拡がり、そのため、本研究の研究活動が制限されたりすることがあった。また、本務校ではコロナ禍により授業形態が様変わりし、研究活動以外の時間に多くの時間が割かれたりすることがあった。そのような中、研究全体の進展が思うように進められなかった。本来であれば研究データを用いて報告できるところが、本年度は文献調査を中心に進め、次年度以降の実験等に活かせるように準備を進めるので精一杯となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
全世界的に感染拡大した新型コロナウイルス感染症により、実験を計画通りに進めることができていない。理由はいくつかあるが、主要なものとしては、本務校での講義が全てオンライン授業に変わったことに加えて他教員のサポートなど、その対応に多くの時間が割かれたのが大きな原因として挙げられる。また、動物の新規購入制限、入構制限、感染予防行動などを考慮しながら実験を進めようとしたが、学務とのバランスの中で予定などが合わず計画通りに進められなかった状況にあった。しかしながら、次年度に向けて実験環境の確保および動物購入などの計画はすでに目処が立っており、研究を進めることができる体制は整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
未だ新型コロナウイルス感染症が蔓延しているが、現状はある程度の実験計画の目処が立った。今後の実験では、ビタミンD欠乏のモデル動物を使用し、若齢マウスおよび高齢マウスの骨格筋に対するビタミンD欠乏の影響を検証していくことを最優先に行なっていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大により研究を十分に進めることができなかった。そのため、多額の次年度使用額が生じている。次年度使用額は、計画している実験において実験動物や試薬などの購入費に多く充て、出来るだけ速やかな実験および分析の実施をしていく予定である。
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Research Products
(1 results)